第211話 ページ21
ナミとブルックの計らいにより、Aはサンジと2人きりになっていた。
「……Aちゃん」
「っ！」
ただ名前を呼ばれただけなのに、Aは肩を震わせた。
サンジはしゃがみ、Aよりも目線を低くしてAを見上げた。
目はぎゅっと閉じられ、口を一文字に結んでいた。
そっと頬に手を伸ばすが気配を感じたのか一歩、後ずさる。
サンジはすぐに手を引っ込めた。
(そりゃ、怖いよな)
Aを怖がらせてるのは紛れもない自分なのだ。
でもきちんと話さなければならない。
また、Aと笑い合うために。
その笑顔を向けてもらうために。
「ごめん」
「…！」
「謝っても許してもらえない事なんて分かってる。ただそれでもおれは謝りたい。おれは君を泣かせて、心に消えない傷を負わせた。育ての親が人質に取られてるからって、あの言葉はなかった」
「……」
「おれも、Aちゃんに会いたかったんだ。この2年、君を忘れた事なんてなかった。泣いてないかなとか、寂しがってないかなとか、そんな事ばっかり考えてた」
「…………でも…今朝、は……会いたいって思った事なんて……ぃ、一度もないって……」
Aが口を開いてくれた事が嬉しかった。
声は随分震えていたけど、充分だった。
「あれはおれの本心じゃない。信じてほしい…って言ってもすぐには無理だよな」
「……っ」
「本当は…あの時Aちゃんに会えて、言いたかった事とか聞きたかった事とかいっぱいあった。どこに飛ばされたのとか、この2年何してたのとか、髪伸ばしたんだねとか、背も伸びたねとか… 前髪切ったんだねとか……強くなったんだね、とか……」
「…………うん」
「それどころかおれはAちゃんに思ってもない事を言って……本当に、最低だよ」
Aは恐る恐る目を開ける。
サンジと目が合う。
その距離は、手を伸ばせば触れられる距離だ。
「……あァ…やっぱり、綺麗な瞳だな」
「ぁ……」
サンジが穏やかな笑顔をAだけに向けているから、涙が溢れてきた。
ぽろぽろと頬を流れるそれをサンジは手を伸ばして指で拭う。
今度は、拒絶されなかった。
「サンジ、さん…っ」
「ん？」
「ぁ、あい……会いたかったの゛は…っ、私だけじゃ、な゛い゛っ……？」
「おれも、Aちゃんに会いたかったよ」
その優しくて暖かい言葉に、Aはとうとう我慢できずにサンジに抱きついた。
ぎゅぅ、と首に腕を回して、力強く。
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ロロ - 夢主ちゃんめっちゃかわいい！✨妹にして毎日可愛がりたいくらい🎵 (2022年2月14日 17時) (
レス) @page50 id: 9b9224080b (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - 瀧さん» がんばります！ (2018年10月7日 23時) (レス) id: 0fa0c7b8d5 (このIDを非表示/違反報告)
瀧(プロフ) - 美桜さん» 読みました！続き、楽しみにしてます(=´∀｀) (2018年10月6日 23時) (レス) id: ebb69f2d36 (このIDを非表示/違反報告)
あおい(プロフ) - 瀧さん» いえ！喜んでいただけて何よりです(*^^*) (2018年10月6日 22時) (レス) id: 1116487a26 (このIDを非表示/違反報告)
瀧(プロフ) - あおいさん» あおいさん！無事に載せる事ができました！！本っっっ当に感謝しかありません…！！可愛い夢主を描いてくださってありがとうございます(〃ω〃) (2018年10月6日 21時) (レス) id: ebb69f2d36 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瀧 | 作成日時：2018年9月21日 0時
