136-命を捨てる覚悟を持つ ページ36
ローはペンギンとシャチとベポを引っ張ってAを見送る。
その姿が見えなくなるその時まで、Aがこちらを振り返ることはなかった。
少しの寂しさを感じていると同じくA達を見ていたホーキンスが口を開いた。
「…あの女は薄情なものだな、己のキャプテンが同じ部下を守るために人質になったというのに」
「あ？あの人のことを何も知らないてめェがあの人を語るんじゃねェよ」
「随分と肩を持つんだな、そんなにあの女が大事か」
「……大事どころじゃねェ、あの人は……この命に代えても生きていてほしい人だ」
ローのその言葉に嘘は感じられない。
だからこそ恋人でないなら何者なのか分からない。
「……お前とあの女は結局どういう関係だ」
「答える義理はねェが……俺はあの人が生きるためなら喜んで死ねる、とだけ言っておく」
…
「あ、A！！」
『！ナミ…』
ここは花の都のはずれ、えびす町。
ハートの海賊団のクルー達と合流した時、ちょうどナミがやってきた。
ナミはAの横にいるベポ達を見てホッと息を吐く。
「よかった！あんた達捕まったって聞いたから！」
「あァ…」
「う…運よく逃げ出せたんだ」
ナミとベポ達が話しているのをぼんやりと眺めていると不意にナミがAの方を向く。
ナミが次に紡ぐ言葉を未来視して顔に出さないよう必死だった。
「トラ男君と一緒じゃないのね、一緒に出てったからてっきり一緒だと思ってた」
『…ちょっと別行動中、先にえびす町に戻ってろって言われたの』
「ふーん、そっか」
『ほらナミ、その新しい判じ絵早く錦えもんに渡さないと』
「頼むぞ！」
「オッケー！何かあったら編笠村ね！」
ナミの姿が完全に見えなくなったところでAは重い溜め息を吐いた。
ローが捕まったことはバレてはいないようだ。
「…Aさん、大丈夫？」
『……ごめん、大丈夫じゃない』
いつものAなら本当に大丈夫じゃなくても大丈夫だと言うだろう。
なのに今は大丈夫じゃないとはっきり言った。
強く握った拳にさらに強く力を込める。
爪が食い込んで痛みが走るがこんなの屁でもない。
だって代わりに捕まったローはもっと痛いはずだから。
あれが本当に最善だったのか。
もっと他に方法があったんじゃないか。
自分が正体を明かせばローの代わりになれたんじゃないか。
そんな自分に対する怒りが沸々と心の中を占めていく。
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ライキ - 初めまして！すごく面白かったです！更新楽しみにしてます! (2022年8月17日 7時) (
レス) @page38 id: c3cdfe919e (このIDを非表示/違反報告)
水無月弥生(プロフ) - コメント失礼しますm(*_ _)mとても楽しめました！続きを楽しみに待ってます！このご時世なのでお身体にお気おつけください！ (2022年2月12日 16時) (レス) id: 9fe8b56f99 (このIDを非表示/違反報告)
橋本アリィちゃん(プロフ) - 初コメ失礼します！とても面白かったです！もし続編があるのなら、続きを楽しみに待っています！(*´ω｀*) (2022年1月4日 14時) (レス) @page38 id: 1849d0f1e6 (このIDを非表示/違反報告)
瀧(プロフ) - シンアさん» 夢主は異名が白龍なので、は(→8月)く(→9日)りゅう、って感じで単純だけどいいや！と決めましたw 推しと誕生日同じだと嬉しいですよね！これからも更新頑張ります！！ (2021年10月22日 21時) (レス) id: 6f454b9d63 (このIDを非表示/違反報告)
瀧(プロフ) - ゆみさん» 作者はサンジもローも推しなのでできる限りどっちも出しますd(^_^o) (2021年10月22日 21時) (レス) id: 6f454b9d63 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瀧 | 作成日時：2021年10月6日 0時
