89-煽る弟、焦る姉 ページ39
《A、欲しいものは奪うのが海賊だ。
例えそれがお宝でなく人であってもな》
《ベンお前いいこと言うな！》
嫌な予感が的中し、Aは焦った。
『ベンさん私の味方じゃないんですか！？』
《どちらかと言えばお前寄りだが、まァ半々だ。
それに俺もお前に船に乗ってほしいと思ってたんだ、下心なく船医としてな。
お前程優秀な医者は中々いないだろうし、俺はお前の医者としての在り方、技術、信念、全てひっくるめて尊敬してる》
『そう思ってくれてるのは嬉しいですけど…だから弟以外の船に乗るつもりはないんですって…』
弟がいるから革命軍を辞めてまでも海賊になったのだ。
逆に言えば弟がいなかったら海賊には絶対になっていない。
必死に言うがシャンクスとベックマンはどこ吹く風、全く聞いちゃいない。
どうしたものかと悩んでいるとローに受話器を奪われた。
「…盛り上がってるところ悪いが、俺はお前らに姉様を渡さねェからな。
死んだと思ってた姉様が生きていて今俺の船に乗ってるんだ、一度手に入れた人を易々と手放すと思うか？
……俺も海賊だ、今まで散々奪ってきた側だからお前らの考えることは否定できねェしするつもりもねェよ」
でも、とローはニヤリと笑った。
続く言葉にAは頭を抱えた。
「俺から、俺達から“白龍”を奪えるものなら奪ってみろバーカ」
明らかな挑発に今度はAがローの服を引っ張る。
これ以上事を大きくするなと抗議の視線を送るが笑われるだけで取り合ってくれない。
《クソ生意気だなAの弟…！
全力でAを奪いに行くから覚悟しとけよ！！》
『いや来るなバカ野郎！！』
「…Aさんさっきから赤髪に対してだけやけに口悪くねェ？」
「嫌いなんだろ？多分」
「四皇に死ねとかクソ野郎とかよく言えるよな…」
「キャプテンもキャプテンっすよー…煽るようなこと言わないでください…」
「あ？姉様に手を出そうとする奴が悪いんだろ」
《A、そろそろ切るから最後に1つだけいいか？》
『…何？』
《愛してるぞ！じゃあな！！》
『二度と掛けてくんな！！』
ローから受話器を奪い、乱暴に切る。
テーブルに突っ伏して情けない声を出す。
『もうやだ…』
「ふふ、愛されてるのね、“赤髪のシャンクス”に」
『ロビン！笑い事じゃない！！』
「……姉様、1から10まで全部話してもらうからな」
怖い顔の弟にAは頷くしかなかった。
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エースファン - 最初から拝見してます！とても面白いです。更新頑張ってくださいね、応援してます (2021年10月3日 21時) (
レス) id: e23982275e (このIDを非表示/違反報告)
KOMA(プロフ) - 素敵な話です！応援してます！ (2021年10月3日 16時) (レス) @page39 id: 2f9b06972b (このIDを非表示/違反報告)
ゆみ - ローぷうちやんがハート海賊団のつなぎきてみたいだつてなかまになりたいじやないかな (2021年9月28日 18時) (レス) id: 3ad59a45e6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆみ - ぷうちやんありがとううれしいよつなぎきたいならろーにたのんでみたら (2021年9月28日 18時) (レス) id: 3ad59a45e6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆみ - わたしはただローのあねさまとしてして大好きなおとうとローまもりたいだけ (2021年9月17日 17時) (レス) id: 3ad59a45e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瀧 | 作成日時：2021年9月9日 23時
