88-めげない四皇 ページ38
深い溜め息を吐き、手持ち無沙汰だった手を弟の頭の上に持っていく。
今度は払い退けられなかったので安心した。
大人しく撫でられている弟を見て心が落ち着く。
《A、お前お頭に言い寄られてること弟に言ってなかったのか》
『いや言える訳ないでしょう』
《それもそうか。
トラファルガー・ロー、聞いてるんだろ？
聞いての通り、うちのお頭はお前の姉貴にかれこれ5年くらいご執心なんだ》
「……何がどうしてそうなったのかは後で姉様に聞くからいいが、副船長なら船長の暴走を止めるのも仕事なんじゃねェか」
《ははは、言ってくれるな。
だが止められるものならとっくに止めてるさ。
止められないから様子見をしてたんだが、Aのことを諦めるつもりは全くないらしい》
諦めた声音のベックマン。
するとシャンクスがベックマンに何か提案している。
しかし声が遠く、何を話しているのかは分からない。
しばらくしてAと同じように溜め息を吐いた彼は再びローに向けて話し掛ける。
《…お頭がAをうちの船に乗せられないならハートの海賊団ごとうちに入るのはどうだ、だと。
つまりうちの傘下に入る、ということだ》
「断る」
《弟まで秒で断るなよ！！いくら何でも傷付くんだが！？》
ロー自身の答えもNOだったが、大人しく聞いていたクルー達も首を横に振ったり腕を交差させてバツを使ったりして拒否している。
意見が一致していて助かった。
《なァ、A〜…どうしたら俺の船に乗ってくれるんだよ》
『何億ベリー積まれても乗る気はない』
「いい加減諦めてくれ。
それにあんた程の奴なら女に困ってないだろう」
《そういう問題じゃねェ、俺はAじゃなきゃもう勃たねェし》
『ローの前で下ネタぶっ込んでくるな変態、死ねクソ野郎』
《おい口悪いぞ！！それに事実を言って何が悪い！！！》
《開き直るなお頭、今のはあんたが悪い。
ところで話は変わるが、A、お前は今海賊だな？》
突然の話題に受話器を握り潰しそうになるくらいに入っていた力が緩まる。
ベックマンの確認にAはそうだと返事をした。
《今まで、お前の軍隊長という立場とボスへの忠誠心を考慮して強硬手段には出なかったが、Aはもう革命軍ではなく、俺達と同じ海賊。
ならば、もう遠慮する必要はないな？》
『え？』
ニヤリ、と電伝虫の向こうでベックマンが笑う気配がしてAは冷や汗が出たのを自覚した。
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エースファン - 最初から拝見してます！とても面白いです。更新頑張ってくださいね、応援してます (2021年10月3日 21時) (
レス) id: e23982275e (このIDを非表示/違反報告)
KOMA(プロフ) - 素敵な話です！応援してます！ (2021年10月3日 16時) (レス) @page39 id: 2f9b06972b (このIDを非表示/違反報告)
ゆみ - ローぷうちやんがハート海賊団のつなぎきてみたいだつてなかまになりたいじやないかな (2021年9月28日 18時) (レス) id: 3ad59a45e6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆみ - ぷうちやんありがとううれしいよつなぎきたいならろーにたのんでみたら (2021年9月28日 18時) (レス) id: 3ad59a45e6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆみ - わたしはただローのあねさまとしてして大好きなおとうとローまもりたいだけ (2021年9月17日 17時) (レス) id: 3ad59a45e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瀧 | 作成日時：2021年9月9日 23時
