第11話 ページ13
────一方その頃。
サンジはAを医療室にあるベッドの上に座らせた。
「Aちゃん、話せる？」
「……っ、ぅ゛ん…」
ゴシゴシと服の袖で涙を拭くAをサンジは止めて持っていたハンカチで優しく目元を拭く。
「強く擦ると赤くなっちゃうよ」
「大丈夫だぞ、ゆっくり深呼吸して」
チョッパーの言う通りに深呼吸をして呼吸を落ち着かせたAはそこで初めてチョッパーを認識した。
2、3回瞬きをして、目を見開いた。
その目は驚きに満ちている。
「鹿、が喋った…」
「おれはトナカイだ！」
「トナカイ…？って喋るっけ……？」
でも可愛い、と小さく零した。
それはサンジにもチョッパー本人にも届いた。
「か、可愛いって言われても…嬉しくねェぞ、コノヤローがっ」
「え……、っ、ごめんなさい……」
真に受けたAはビクッと肩を揺らして謝った。
「Aちゃん、今のはチョッパーの照れ隠しだから本心じゃないよ」
「そう、なの……？チョッパー…って、トナカイさんの名前……？」
「おう！おれはトニートニー・チョッパーだ！よろしくな！」
チョッパーの無垢な笑顔にAは少し頬を緩める。
「私、A。チョッパーって呼んでいい…？」
「もちろんいいぞ！」
チョッパーに心を開いたらしいAにサンジは安堵した。
Aに自分達は危害を加える人間じゃないと認識してもらう事が大事だと思ったからだ。
まあ、チョッパーを人間とカウントしていいのかという問いはこの際触れないでおこう。
「Aちゃん」
「……？」
「もう、家には帰れない事になるけど……おれ達と一緒に、海に出よう」
「……本当に、いいの？」
「あァ、もちろんだ。歓迎するよ」
「おれもだ！」
「それに船長…さっきの麦わら帽子被った奴がもうAちゃんを仲間にするんだって言ってたから…あいつは仲間にするって決めたらもう聞かない様な奴だからね」
「仲間……」
一度視線を下に落として何か考えたAは顔を上げてしっかりとサンジを見た。
「私を────海に連れてって」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 682人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ONEPIECE」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
minamiywt18(プロフ) - 森田菜々子さん» ありがとうございます！更新頑張ります！！ (2018年8月16日 22時) (
レス) id: b765eaea0d (このIDを非表示/違反報告)
森田菜々子 - minamiywt18さん» こちらこそすいません；その代わり最新頑張ってくださいね。 (2018年8月16日 21時) (レス) id: cc13c935d5 (このIDを非表示/違反報告)
minamiywt18(プロフ) - カーさん» コメントありがとうございます！凄いやる気出てきました(*´∇｀*)頑張ります！！ (2018年8月16日 16時) (レス) id: ebb69f2d36 (このIDを非表示/違反報告)
minamiywt18(プロフ) - 森田菜々子さん» ごめんなさい、私ドラゴンボール詳しくなくて…。本当に申し訳ないんですが短編集をお作りすることはできませんm(_ _)m (2018年8月16日 16時) (レス) id: ebb69f2d36 (このIDを非表示/違反報告)
カー(プロフ) - とっても面白いです！更新も早くて！楽しく読まさせていただいています！これからも頑張ってください！ (2018年8月16日 16時) (レス) id: e4298f3c08 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：瀧 | 作成日時：2018年8月16日 1時
