勝負 ページ41
一旦ゲームを中断してもらった。さてどうしようか。……うん、体で覚えてもらうのが一番早いかな。
そんな訳で俺はAさんの後ろに回った。後ろからAさんを抱き締める形でコントローラーを握る手に俺の手を重ねる。二人羽織みたいな感じ。
顔を赤くして振り向いたAさん。多分状況を理解しきれていないんだと思う。説明のためにすぐ近くにあったスマホのメモアプリに文字を打ち込んだ。
《俺が手伝うから、こんな感覚って覚えてね》
小さくだけど頷いてくれた。この体勢のままゲーム再開してもいいけど、ちょっとごめんねAさん。胡座をかいて、その上にAさんを乗せてみた。
思ってた以上に収まりがいい。これ癖になりそう。だってAさん柔らかいしいい匂いするし……。Aさんには置いてあるシャンプーとリンス使っていいよって言ったから俺と同じ匂いがする筈なのに何でこんないい匂いするんだろう。
ってそんな事考えてる場合じゃない。煩悩を打ち消してテレビ画面に目を向けた。
…
今度は俺が一緒にやったからか逆走しなかった。Aさんも操作を理解したらしくて対戦しようって。ちょっと早くない?
Aさんに頼まれたらどうしても断れない俺は情けないのだろうか。でも仕方ないよね、好きな人にお願いって言われたら断れないよ。
だから対戦モードに切り替えてゲームを始めた。最初のコース、わざとAさんより低い順位でゴールしたら怒られちゃった。俺が加減してやってたのがバレたみたい。
[手加減は嫌い]
[分かったよ、本気でやるから]
だから次のコースは手加減抜きで本気でやった。俺は1位、Aさんは3位。そろりと彼女を見ると凄く真剣だった。その目は闘志に燃えている。
[次は勝つから!]
[俺だって負けないよ]
Aさんって負けず嫌いだったんだ。また一つ彼女の事を知る事ができて嬉しい。3つ目のコースでは俺が1位、Aさんが2位、最後のコースも同じ結果になった。
今度は違うコースでやろう!と張り切ってるAさんにいつの間にか俺も真剣にゲームをやってた。
気が付いたら3時間は過ぎていて驚いた。シルク達とスマブラやってる時より時間を忘れて没頭していた。ちょっとやりすぎたかも。
[今日はこのくらいにして終わろうか]
[分かった。また一緒にやろうね]
[勿論]
初めてのマリオカートは凄く楽しかったみたいで安心した。次の約束もできたし、俺も満足。
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瀧(プロフ) - wwwさん» 作者もです笑 作者の願望が詰まった作品になっております笑笑 (2019年7月18日 22時) (レス) id: 5c3fcd6700 (このIDを非表示/違反報告)
www - ああ、こんな恋したい (2019年7月17日 18時) (レス) id: 423bf3fc22 (このIDを非表示/違反報告)
瀧(プロフ) - ひなさん» そう言っていただけて嬉しいです!頑張ります(≧∀≦) (2019年7月4日 14時) (レス) id: 5c3fcd6700 (このIDを非表示/違反報告)
瀧(プロフ) - wwwさん» ありがとうございます(*゚▽゚*) (2019年7月4日 14時) (レス) id: 5c3fcd6700 (このIDを非表示/違反報告)
ひな - この小説好きです。投稿頑張ってください! (2019年7月4日 0時) (レス) id: 0d818dd5f0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:瀧 | 作成日時:2019年7月1日 0時