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感動 ページ26

Aさんの涙が完全に止まった事を確認して俺は彼女に手話で話し掛けた。何をしようかと。昨日まで色々考えたけど何も思い付かなかった。部屋を見回したAさんはパッと顔を輝かせた。



[あれ!]



どれ?Aさんが指差す先を見ればペンタブがあった。マサイから誕生日プレゼントで貰ったやつだ。やっぱり絵に関する事に敏感なんだなぁ。


絵本作家、謂わばプロであるAさんと比べると俺なんて全然だし趣味で描いてる程度だからと言っても見たいとの一点張り。我儘を言うAさんは初めてでちょっと嬉しかった。



[私の絵も見せるから!]



Aさんは常にペンタブを持ち歩いていると言う。交換条件として自分の絵も見せるからと押しに負けて結局俺の絵を見せる事になった。風景以外にAさんの描く絵は彼女の描く絵本を除いて初めてだったから欲に負けた。


俺のペンタブをAさんに渡して、Aさんのペンタブが俺に渡ってきた。ニコニコと嬉しそうにしてるAさんの横で俺もAさんのペンタブを見る。



「うわぁ……!」



彼女の絵を初めて見た時と同じ声が漏れた。ペンタブの中にはAさんの絵本に登場する動物だけじゃなくて色んなアニメやゲーム、漫画のキャラクターがいた。それだけに留まらず現実にいる俳優さんや芸人さん、アイドルも描かれている。


ヤバい、これはヤバい。もうヤバいしか出てこないくらいヤバい。だってピカチュウとかめちゃくちゃ上手いし似てるし何より可愛い。クソ上手い。本当ヤバいな。


え、待って何これ上手っ!?俺が手を止めたのはONE PIECEのキャラクターが描かれた絵。コラソンことドンキホーテ・ロシナンテだ。待ってコラさんめちゃくちゃカッコいいんだけど!好きなのかな?好きなキャラをこうも上手く描けると楽しいだろうな。羨ましい。



「……ん!?」



続けて絵を見ていると見覚えのある7人がいた。俺達Fischer'sだった。デフォルメされたちょっと可愛い感じの俺達。皆特徴を掴んでて誰が誰だか一瞬で分かる。プロが描くとこうなるのか……。え、普通にこの絵送ってほしいんだけど。


夢中で見てると視線を感じて顔を上げるとAさんが俺を見ていた。しまった、夢中になりすぎて時間を忘れてた。ごめんと謝ったけどAさんは笑って首を振った。気にするなって事らしい。


あ、そうだ。さっきの俺達の絵の事聞こう。筆談用のスケッチブックを手に取ってペンを走らせた。

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(プロフ) - wwwさん» 作者もです笑 作者の願望が詰まった作品になっております笑笑 (2019年7月18日 22時) (レス) id: 5c3fcd6700 (このIDを非表示/違反報告)
www - ああ、こんな恋したい (2019年7月17日 18時) (レス) id: 423bf3fc22 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ひなさん» そう言っていただけて嬉しいです!頑張ります(≧∀≦) (2019年7月4日 14時) (レス) id: 5c3fcd6700 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - wwwさん» ありがとうございます(*゚▽゚*) (2019年7月4日 14時) (レス) id: 5c3fcd6700 (このIDを非表示/違反報告)
ひな - この小説好きです。投稿頑張ってください! (2019年7月4日 0時) (レス) id: 0d818dd5f0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2019年7月1日 0時

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