似合 ページ20
《ネックレス、今付けていい?》
スケッチブックにそう書いたAさんはワクワクを隠し切れていない。勿論いいよ、と伝えるといそいそとネックレスを箱から取り出した。長い髪の下に手を入れて何も見ずにネックレスを付けようとしてるけど、チェーンが短めのネックレスだから上手く付けられないみたい。
頑張ってるAさん可愛いしもうちょっと見ていたいけど、俺が付けた方が早そうだな。そう考えてAさんにネックレス貸してって頼んだ。Aさんには髪を上げてもらって。
「わっ……」
髪を上げてるから頸が見える。仕事柄家にいる事が多いからか日に焼けてないAさんの肌は眩しい程に白い。後れ毛がまた何とも……。
ハッと我に返って首を横にブンブンと振る。いかんいかん、邪な事を考えるんじゃないモトキ!しっかりしろ!!
「……ごめんねAさん」
俺を信頼して無防備にも背中を向けてるAさんに謝罪した。邪な事を考えてたなんて知られたくなかったから、手話でも筆談でもなく言葉での謝罪。臆病でごめんね。俺さ、Aさんには嫌われたくないから。
何事もなかったかのようにAさんにネックレスを付けた。こっちを向いたAさんを見る。あぁ、やっぱり凄い似合ってる。
[似合うよ]
素直に伝えれば分かりやすい程に照れて俯いちゃった。可愛い。好きだなぁ。
恐る恐る、上目遣いで俺を見たAさんと目が合った。その柔らかそうなほっぺを紅潮させてはにかみながら手話でありがとう、と伝えてくれた。
俺ね、その言葉が聞ければ充分だよ。ありがとうって言ってくれてありがとう。
ベンチから立ち上がって、座ってるAさんに手を差し出した。Aさんは辺りをキョロキョロと見回して誰もいない事を確認したら俺の手を取った。Aさんって警戒心強いよなぁ。
「行こっか」
俺の言葉はAさんには聞こえていない。けど確実に伝わった。だってAさんは笑って頷いてくれたから。
その首元には俺がプレゼントしたネックレスが日に当たってキラキラと反射していた。それは眩しいAさんの笑顔とよく似合っている。
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瀧(プロフ) - wwwさん» 作者もです笑 作者の願望が詰まった作品になっております笑笑 (2019年7月18日 22時) (レス) id: 5c3fcd6700 (このIDを非表示/違反報告)
www - ああ、こんな恋したい (2019年7月17日 18時) (レス) id: 423bf3fc22 (このIDを非表示/違反報告)
瀧(プロフ) - ひなさん» そう言っていただけて嬉しいです!頑張ります(≧∀≦) (2019年7月4日 14時) (レス) id: 5c3fcd6700 (このIDを非表示/違反報告)
瀧(プロフ) - wwwさん» ありがとうございます(*゚▽゚*) (2019年7月4日 14時) (レス) id: 5c3fcd6700 (このIDを非表示/違反報告)
ひな - この小説好きです。投稿頑張ってください! (2019年7月4日 0時) (レス) id: 0d818dd5f0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:瀧 | 作成日時:2019年7月1日 0時