大作 ページ34
「凄い物見せてくれてありがとうございました!」
「本当凄かったです!」
「もうAさんマジ神」
「あ、なぁモトキ。ありがとうって手話でどうやんの?」
「あぁ、ありがとうはねー」
シルクは手話でありがとうと伝えたいみたい。教えるとちょっとぎこちないけどありがとうって手話をした。それに続いて他のメンバーもやっていく。
それを見たAさんは泣きそうになりながらも笑っていた。嬉しいって感情がよく分かる。
そしたら筆談用のスケッチブックを手にしたAさんはペンを走らせて俺らに見せた。その文には俺も首を傾げた。
《皆に渡したいものがあるの》
渡したい物?何だろう。Aさんが持ってきたのはスケッチブックと同じサイズの紙。1枚ずつ確認して俺達に渡してくれた。今俺達が見てる面は裏。真っ白だし。という事は表に何か描かれてんのかな?
《せーのでひっくり返して見てみて》
Aさんの言う通り、シルクがせーのと言って一斉にひっくり返した。そこに描かれていたのは────
「んぇ!?俺がいる!」
「え、これ絵!?だよな!?」
「すごーい!リアル!!」
────俺達の似顔絵だった。でもさっき見たようなデフォルメされた感じのやつじゃなくてリアルに描いた似顔絵。写真なんじゃないかってくらいリアルで、鮮明な絵。
見せ合うと全員そっくりだった。顔の横に並べてみても全く同じ顔。
Aさんにこの絵はどうしたのか聞いてみた。返ってきたのは思いもよらない言葉。
《私には耳が聞こえないけど、皆の動画を観るのすごい好きなんだ。耳が聞こえない人でも楽しませられる皆が本当にすごいと思う。こんなに楽しいって思えたの久し振りで、感謝の気持ちを伝えたかったの。でも私には絵しかないから、似顔絵しか思い付かなかったんだけど……》
「Aさん……」
《いつも楽しませてくれてありがとう》
この似顔絵はAさんなりの感謝の気持ち。Aさん、そんな風に思ってたんだ。俺、YouTuberやっててよかった。
あはは、ンダホなんて泣きそうなんだけど。でも分かる、俺も泣きそう。
「こちらこそこんな素敵な絵をありがとうAさん」
「本当にありがとうAさん!これ兄貴に自慢しよ」
「額に入れて飾らなきゃ」
「ちなみにこれ描くのにどれくらい時間かかったんですか?」
《1枚60時間くらい》
「「「60時間!?」」」
つまり7枚あるから計420時間!?な、何か一気に重く感じてきた……。
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瀧(プロフ) - wwwさん» 作者もです笑 作者の願望が詰まった作品になっております笑笑 (2019年7月18日 22時) (レス) id: 5c3fcd6700 (このIDを非表示/違反報告)
www - ああ、こんな恋したい (2019年7月17日 18時) (レス) id: 423bf3fc22 (このIDを非表示/違反報告)
瀧(プロフ) - ひなさん» そう言っていただけて嬉しいです!頑張ります(≧∀≦) (2019年7月4日 14時) (レス) id: 5c3fcd6700 (このIDを非表示/違反報告)
瀧(プロフ) - wwwさん» ありがとうございます(*゚▽゚*) (2019年7月4日 14時) (レス) id: 5c3fcd6700 (このIDを非表示/違反報告)
ひな - この小説好きです。投稿頑張ってください! (2019年7月4日 0時) (レス) id: 0d818dd5f0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:瀧 | 作成日時:2019年7月1日 0時