ありがとう、そしてさようなら【うらたぬき】

五話 ページ6

さ「彼氏のフリ？何言っとるの？」

『何言ってるも何もそのまんまだけど』

さ「いやいやいや、Aにはうらさん がおるやろ！」

『だからこそ、ね？お願い。頼まれてよ？』

さ「なんで？なんでそんなことしたいん？そんなのあんまりや！俺とカレカノの振りしてうらさんに見せつけるなんて！」

『さかたんは理由が分かればやってくれるの？』

さ「…まぁアホみたいな理由やったらやらんからな」

『じゃあ、さかたんには話してあげる』

私は余命2ヶ月の宣告をされたこと、だからこそ、渉とは別れたいということ

さ「なっなにいうとるん！うらさんがそんなこと望むと思うんか！」

『ん？思わないよ？』

さ「ならっ『でもね、きっと渉は優しいから、最後まで私のそばにいてくれるだろうけど、その分渉は一人で悩みやすいから、この先も、何度か私の死という鎖に、縛り付けちゃうかもしれない。それは嫌なんだ』

………だから、最悪の別れ方をするん？」


『そうだよ、ねぇさかたん、お願い。これが坂田に頼む一生で一度のお願いだから』

さ「本当にいいん？後悔しない？」

『うん、しない』

さ「はぁ、分かったわ、そこまで言うたら聞かんもんなぁ」


『ありがとう』

本当にありがとう


こうして私の計画は開始された

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