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誘感 11 ページ11
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ちょうどさっき、健人くんと通話をした。
彼とはこうやってたまに、同じ時間を過ごすようになった。
『今日さー、風磨と会ったんだけどさ』
『あ、そうなんだ』
久しぶりに聞く、その名前に少しドキッとした。
『あいつ、Aのこと気にしてたよ？なんかあった？』
気にしてた...。
いまさら、何を気にすることがあるんだ。
でも、健人くんには言えない。
遊ばれて、捨てられたなんて、言えない。
『気にしてた...って何を？』
『あー、なんていうんだろ、元気？って』
『なにそれ(笑)』
私は笑って誤魔化すしか無かった。
なんでこう曖昧なことしてくるの。
嫌いなら嫌いで早急に忘れてくれればいいのに。
なんで、こんなに私の心を乱す？
好きなのか？私は彼を。
あの時分からなかった感情。
今気づいたのだろうか。
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作者名：茉音美。
| 作成日時：2019年1月30日 21時
