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舞い上がっていただけ。
きっとそう。
あの夏、あなたに出会わなければ私はこんな思いをしなくてすんだんだろうな。
出会ってなかったらどんな人生だったんだろう。
あの夜、その後何かある訳ではなく、家に帰って、少しだけ何ターンか連絡が続いた。
私からは連絡しない。そう決めていた。
むこうから来たら返す。ただそれだけ。
たぶんその時から加藤が怖かったんだろうな。
自分からは話題は振らない。
だから別に何も進展しなかった。
そのまま月日はすぎて、ある秋のこと。
私は加藤の家に呼ばれた。
そこにあなたもいた。
「あ、Aちゃーん」
『おじゃまします』
加藤のベッドで横になるあなた。
その横には加藤。
『は、お前うざ』
「いたいよおおー、けんとやめてぇぇ!」
プロレスのような感じで絞められてる加藤。
でもめちゃくちゃ楽しそうじゃん。そうやって遊ばれて嬉しいんだね。
あなた達の距離感は正直私には理解できなかった。
これは嫉妬とかではない。
ほんとに理解出来なかっただけだ。
私って何しにきたの。
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作者名:茉音美。 | 作成日時:2022年7月12日 21時