【短編集】おもいとは。【prsk】

日野森志歩・妹愛 ページ24

朝。昨日の天気とは一変して今日はいい天気。

ジュワー。と卵とベーコンを焼く音と匂いがリビングに充満する。


いい感じに焼けた目玉焼きをひっくり返して潰す。…よし、できた。


『お姉ちゃんー！朝ごはんできたよ！』

「ん…A、おはよ」


志歩お姉ちゃんが目を擦りながらそういう。

いつもクールなお姉ちゃんのこういう可愛い所を見れるのは、妹の私の特権。



「…あれ、お姉ちゃんは？」

『ああ、雫お姉ちゃんなら部活で朝早くから出たよ』

「そう…頂きます」


お父さんとお母さんは共働きで朝から仕事。

お姉ちゃんたちの朝ごはんを作るのは、いつの間にか私のルーティンになっていた。


別に困ってはいない。


少しでもアイドルになりたい雫お姉ちゃんと、バンドを頑張ってる志歩お姉ちゃんの助けになりたいから。



「ん…今日も美味しい。Aいつもありがとう」

『えへへ、もっと褒めて！』

「Aったら…」



呆れたような顔をしながらも「よしよし」と頭を撫でてくれる志歩お姉ちゃんはなんだかんだ私に甘い。



まあ雫お姉ちゃんならもっと大袈裟に

「Aちゃん…！本っ当に可愛いわね！大好きよ！」


なんて言ってくるんだろうけど。



そんなぬるま湯の様な幸せに浸っていた1日だった。

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