治くんは、おさまらん。

治くんは、食欲がおさまらん。 ページ10

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「ﾓｸﾞﾓｸﾞﾓｸﾞﾓｸﾞ」


『.......堂々としとんなぁ。』



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そうそう、前回のプロポーズ事件は一年生の秋のことやねん。


んでそっから気づけば半年が経ち、

私はもう2年生。


今年は角名くんも同じクラス。



.......そして、またしても同じクラス＆隣になった此奴。


授業中珍しく起きている隣を見れば、

だいたいそれは早弁タイム。


授業中にも関わらず隠す気なく、

堂々と菓子パンをリスのように頬張る治くん。



そして、食べ終わったらだいたい、

じっとこっちを見てくるここ最近。



.......なんなん？視線が暑苦しいねんけど()



＿＿＿というのが、1週間は続き、

私も流石に困っていた。



なんなんやろ。そう考え続けた結果.......


私、わかったんや。


こいつがこっちみてくる理由＿＿＿





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そしてその一日後＿＿＿＿



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『治くん、これ。』


「.......！？これは、弁、当！？」



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なんで弁当？

皆、そう思ったやろうけど、


これが治くんが私をじっと見とった原因やと思うねん。



・




『治くん、ご飯食べた後いっつもこっちみてくるから、

お弁当作って欲しいっていうアピールなんかなぁ、と。


.......え、ちゃうかった！？』




「......ちゃうけど、この際ちゃうくない.......！


とりあえずめっちゃ嬉しい.......！！

ホンマにありがとーな！！」




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お弁当を受け取りキラキラした目で、

お礼を言ってくる治くん。


ほんまに食欲すごいな.......。


.......てか、え？


結局お弁当がこっちみてくる理由ちゃうん？



私がすっかり混乱に陥っていると＿＿＿＿





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「てか治がAの事見てる理由は結局何なの？


あ、Aが可愛いからはわかってるしそれ以外で」





・




と、気を利かした角名くんが聞いてくれた。




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「.......ああ、それか。



いやぁ、食っても食ってもお腹減るから、

なんか食いもん.......って思っとったら、



いっつも気づけばAが目について思うねん。


＿＿Aのぷるぷるな唇美味しそうやなぁって」




「『え゛』」






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予想の遥か上を行く回答に私も角名くんも、

動揺と困惑を隠しきれない。



当の本人私の渡したお弁当にご執心で、


自分の落とした爆弾に一切気がついてないようだ。





.......え、東〇喰種？


ここ、東京ちゃうで？兵庫やで？←





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治くんは食欲がおさまらん＿＿＿＿＿




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