治くんは、おさまらん。

治くんは、可愛さがおさまらん。 ページ40

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その後、必死に治くんの鼻血を止めた私達。

まぁ、治くんの服が赤色で、目立つ汚れが少なかったんが、不幸中の幸いや。

てか鼻血吹いとる時に気づいてんけど、、
治くん顔色悪いし、目元の隈凄いんやけど、
大丈夫なんやろか.......？

やっぱ練習で疲れとるのに、折角のオフくらい休ませた方が良かったやんな.......。

彼女以前に、マネージャーとしてほんまあかんな.......と、かなり自分の中で反省をした。

そして少し名残惜しい気持ちはあるし、ビュッフェの予約して手に入れたチケットも無駄になってまうけど.......

デートは中止にするんが最善やと言う考えに至った。


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『治くん、今日はデートやめにせん？』


「え゛っ！？

ああ、でもそれもそうやんな.......。
俺、朝からほんまに迷惑かけてばっかやもんな、そりゃ帰りたなるよな.......」


『あ、そういう訳やなくて、

ほら、治くん.......朝から鼻血出すし、よう見たら顔色悪いし、目元の隈も目立つし.......春高前の練習で疲れてんのに、今も無理させとるんやろ？

やからデートなんかしてる暇あるんやったら、今日はすぐ帰って寝るべきや。』



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私がそう説明して、「さ、帰るで」と背を向けて歩きだそうとするも、治くんが私の袖を掴んだから、思わず振り返って止まる。

治くんは何故か顔を赤く染めて、あわあわとしていた。

.......とりあえずどんな言い訳きても帰らせたんねん、と私は意気込んだ。


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「.......実は、やな。
ほんま恥ずかしいねんけどな.......

この顔色とか目元の隈とかは.......
Aとのデートが楽しみすぎて、寝れへんかったからやねん.......つまり練習で疲れとるわけやないし、当然無理もしてへん。

やから、もしAが迷惑やないんやったら、
俺とデートの続き、してくれへん？」


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そう言って、私を不安そうな目で、しかもわざわざ屈んで上目遣いで、私の袖を離すことなくこちらを見てくる治くん。

.......いや、私に“帰る”っていう選択肢を選ばせる気ないやろ。

当然ちょろい私は、『ええよ』と頷いちゃう訳で。


あかん.......私、日に日に治くんに甘くなっとるわ。

でも、こればっかは仕方ないやろ。

私とのデートを健気に楽しみにしてくれてたという事実、さっきみたいなあざとい表情に、私の前ではよく見せる笑顔、

全部、全部、可愛すぎんねん。
そんなん甘やかしたくなるんは当たり前やろ.......？


治くんは、可愛さがおさまらん＿＿＿＿


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