治くんは、おさまらん。 (ページ38)

今日:19 hit、昨日:56 hit、合計:674,522 hit

治くんは、複雑さがおさまらん。ページ38

・

時は進み、今は帰り道。

ちなみに最近は治くんが駅まで送ってくれるから、二人きりで帰っている。

そんなこんなで二人で並んで帰っていると、
治くんが突如「あぁっ！！」と声を上げた。

・

「.......やっぱり！！！
Aのカバンについてるキーホルダー！！

さっき俺にAがくれたやつとお揃いやんな！？」

『そ、そうやけど？何？嫌やった？

あと、あれだけやないから、誕プレ。』

「嫌なわけないやろ！
逆に嬉しすぎてやばたにえんやって←

てか、まだあるんか！？」

・

やばたにえん.......ってなんや？

とりあえず、もう一個の方の誕プレ渡さな.......。

そう思って、鞄の中を軽く漁る。

おっ、あったあった。

私は鞄の中からチケットを二枚取り出して、
治くんに見せる。

・

『.......ほら、これ、あげる。

ずっと、ここのビュッフェ行きたいって言ってたやろ？

二人分あるから、一緒に行こうや。』

・

『確か今週末、春高前やけど体育館の点検でオフやったし』と付け加えて言うと、

治くんは、目を見開いたまま固まってた。

そして暫くした後、無音で涙を流し始めた。

.......え、何怖いよ。

・

「そそそそそそれって、

デートのお誘い.......？」

『そーなるんちゃう？』

「ああああああ嬉しいんやけど、！！

けど、それと同時に彼女の方から初のデートに誘わせてしまう不甲斐なさを感じるっ！

そしてうちの彼女がイケメンすぎて、
惚れ直してまう！！

けど俺よりイケメンすぎて困る.......！！

あああああああ複雑やあああ。。」

・

.......なるほど。

デートとやらに誘ってみたら？という角名くんの案を取り入れてみたけど.......

あんまりこう言うのは、女の私から誘ったあかんのか.......！？？

と、反省しつつも、

気づけば駅に着いていたので、

複雑、複雑.......うるさい治くんを置いて、
私は改札を通り抜けて帰ることにした。

.......やばい、デート不安になってきた。。。

治くんは、複雑さがおさまらん＿＿＿＿＿

・