治くんは、おさまらん。 (ページ21)

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治くんは、執念がおさまらん。ページ21

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『.......またかぁ。』

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最近.......私が朝学校へ着き、靴箱を開けると、

毎日一通の手紙が入っている。

これはいわゆるラブレターという類に入るものやと“思う”。

“思う”って言う様に、
ラブレターやと断言出来んのには理由がある。

それは手紙の内容やねんけど.......やっばり今日も.....

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「お、Aやん、おはよー」

「ツム！俺より先にAに挨拶すんな腹立つ！！

.......おはよ、A」

『お、おはよー』

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手紙の内容を確認しようとした瞬間、後ろから双子が現れた。

私は咄嗟に手に握っていた手紙をカバンに押し込み、二人に少しぎこちない声と笑顔で挨拶をする。

.......てか治くん言ってることちっちゃすぎやろ。

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「それより、さっき何隠したん？

見た感じ手紙やったけど.......！！」

「ま、ま、まままさか！

ラブレター！？？？？？」

『.......え、き、気のせいとちゃう？

そ、それより朝練始まってまうで？』

「「ふーん？あやしーなぁ」」

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どうやら上手く誤魔化せなかった様で、侑くんが手紙のことについて聞いてきた。

そんで治くんは、ラブレターかと騒ぎ出す。

私はまたもやぎこちなく受け答えをした。

.......私、嘘つくの得意やないねん。

2人は怪しんで、手紙を見せろと言わんばかりのオーラを出してくるものの、

お互いに先程のセリフがハモったのが気に食わないらしく、次の瞬間にはケンカをし始めた。

その隙を狙って私は更衣室へ逃げた。

.......とは言っても同じ部活なんですぐ体育館で再会するんやけどな。

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それからと言うものの、双子の執念は半端なかった。

何が言いたいかと言うと、一日中ずっと付きまとわれてんねん。あ、治くんはいっつもやけど()今日は特に酷い。

しかしまぁ、侑くんの方は半日もすれば、飽きて諦めたらしく、残ったのはやはり治くん。

治くんからは諦めるの“あ”の字も見えない。

.......どうしよ。

こうなったら治くんはホンマにしつこいねんなぁ。

今思えば、治くんの執念というか、
諦めの悪さは昔からやなぁ、と。

しまいには、「諦めないことが俺の魔法だ！！」
Byブラ〇ロのア〇タ的なこと言いそうやな。

とりあえずこの治くんの執念対策に今日一日は悩まされそうや。

.......ほんとは、あの手紙に対しての対策もそろそろ考えなあかんねんけどなぁ。

治くんは、執念がおさまらん＿＿＿＿

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