治くんは、おさまらん。 (ページ3)

今日:46 hit、昨日:24 hit、合計:674,196 hit

治くんは、告白衝動がおさまらん。ページ3

・

仁科の“に”と、宮の“み”は、

学年が新しくなった頃の名前順の席では、程よく隣になる。

そんな感じで、

２年になったばっかの今も隣やったりする。

まぁそれは１年の頃も同じで。

・

私は入学式の日＿＿＿

早めに登校して自分の席に座っていた。

すると隣の席に治くんが座った。

私は社交辞令で、ぺこっと会釈して軽く微笑むと、

治くんはせっかく座ったのに、

ｶﾞﾀﾝｯと音を立てて椅子から勢いよく立った。

私がその行動に驚いていると.......

この宮治という男は、

その更に上を行く発言をしてきた。

・

「.......好きです！！！

付きおうてください！！！」

『.......は？』

・

まだ名前も知らなかったであろう私に、

この男は告白してきた。

・

『えっと.......ごめん。

急に言われても困るっていうか.......。

やって、お互いのことなんも知らんやろ？』

・

私は初対面の人には丁寧な対応を心がけている為、

変な人やなっていう怪訝な気持ちとは裏腹に、

やんわりと笑みを浮かべ、しっかりとした理由で断った。

・

「.......あ、そうやんな。

すまん、こう、

告白せなっ！！ていう衝動に駆られてもうて。」

『いや、どういう衝動やねん。

.......あ。』

・

あかん、、、！

日頃からド天然な家族のツッコミに回ってる癖が出てしもた。

初対面の人には丁寧な対応しよー思てたのに、

つい、つい、や。ツッコんでしもた。

ああ、初対面にこれは完全に引かれたやつや。

そう思って、一人絶望に暮れていると＿＿＿

・

「見た目から想像出来んくらい鋭いツッコミや.......。

あかん一瞬にして惚れ直してもた。

今、すごいキュンってなったで.......！！

あぁ、これがツムのいうギャップ萌ってやつか.......」

『え゛』

「あれやんな？

お互いの事まだようわからんから、

今は付き合えへんって言うてたやんな？

よし、じゃあ今日からめっちゃ話しかけるわ。

手始めに、俺、宮治言うねん。

よろしゅうな？」

・

なんかようわからんけど、

いよいよ、ややこしくなってきた？

てか、告白の断り文句が、

めっちゃ都合のええ解釈されてる気がすんねんけど？

・

どうやら、、、

治くんは、告白衝動がおさまらんかったらしい＿＿＿

・