治くんは、優しさがおさまらん。 ページ17
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気づいたら、何個かあったおにぎりは、
あっという間に無くなっていた。
それから少し今日の部活のこととかを話していると、治くんが何かを思い出したようで、
自分のカバンをゴソゴソあさり、中からノートを取りだし、それを私に差し出した。
・
「これ、今日の分のノートや。
俺、あんまりノート取るの得意やないけど、角名にも協力してもろうて、全部書いたから、
よかったら写すのに使ってや」
『治くん.......ありがとーな。』
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私はそっとそのノートを開いた。
お世辞にも字は綺麗とは言えんし、
所々に不自然に伸びる線はきっと、
今まで百戦全敗の睡魔と戦った証だろう。
.......なんか、嬉しさを感じるのは勿論やけど、
こういう優しさを女の子は皆好きになってくんやろなぁ。
と、少しの寂しさと謎の焦燥感も感じた。
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そっから10分くらい話した後、
治くんは「そろそろ帰るわ」と言って、
私の隣から離れようとした。
私は、先程感じた少しの寂しさが、
どんだん欲張って強くなっていくのがわかった。
そして、気づけば治くんの袖をキュッと掴んで、私は言っていた。
・
『.......なあ、あんただけ私に甘えっぱなしっちゅうのは、不公平とちゃう?』
「.......というと?」
『やから、、、
私も甘えたいねん。
寂しいねん、まだか帰らんとってや.......』
・
そう言った私の顔はアホみたいに真っ赤やったと思う。
.......けど、きっとそれ以上に治くんは顔を真っ赤にさせていた。
そして、私の方へ近づくと、私をぎゅうっと抱きしめた。
・
「.......ほんまに、Aはずるいわ。
いっつもつれへんくせに、
こういう時は甘えてくるとか.......
可愛すぎやろぉ。
ああ、もうほんまに好きや〜。大好きや〜。
せやから.......
そんな寂しそうな不安そうな顔せんでええねんで?」
『そんな顔.......してた?
まぁそういう治くんの優しいとこ、
めっちゃ好きやで?』
「っ!?は!?ちょ、Aもう一回.......!
って、寝てしもた.......
はぁ、ほんまずるいわぁ。」
・
そう言って、暫くして私から腕を離した治くんだが、その後はそっと私の右手を握ってくれた。
なんで知ってるか?
それは私が恥ずかしさのあまり狸寝入りしてたからや。
治くんはこんなずるい私にも、優しくしてくれる。
やから余計私はその優しさに甘えてまうねん。
治くんは、優しさがおさまらん____
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治くんは、やる気がおさまらん。→←治くんは、単純さがおさまらん。
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アニメラブ - 続編みたいです!! (2022年10月28日 15時) (レス) @page50 id: 224878efa2 (このIDを非表示/違反報告)
ナッツ - 続編みたいです!お願いします! (2022年2月26日 0時) (レス) @page50 id: ad6bc992f8 (このIDを非表示/違反報告)
える - 続編待ってます! (2021年8月14日 10時) (レス) id: dae120511d (このIDを非表示/違反報告)
かすたぁど - 続編みたいです!待ってます!! (2021年8月5日 10時) (レス) id: f00f6ed815 (このIDを非表示/違反報告)
田中(プロフ) - 好き (2021年4月19日 2時) (レス) id: 5c13cd4981 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おかかのおにぎり | 作成日時:2020年2月24日 23時