会えただけなのに。 ページ31
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「……それが、Aちゃんがヒーローになりたい理由？」
「ああ、そうだけど。何か悪い？」
クソアマはとことん矛盾したヤツだった。
クソアマは昔からヒーローが大嫌いだった。その嫌悪は俺やデクや周りのモブ共がヒーローの話題を出すと明らかに顰めっ面になる様子から容易に感じ取れた。
だがそんなクソアマは当たり前のようにヒーローを目指していたのだ。しかも俺と同じNO.1を。
ヒーローが大嫌いなくせにその頂点…NO.1ヒーローを目指す、クソアマはそんな矛盾を抱えたイカレ女だった。
だが今、その矛盾の根底にあるものが漸くわかったのだ。
「…まさかテメェのヒーローになりてぇ理由が色恋沙汰とはなァ。ハッ、くだらねェ！」
ホントくだらねェ。
お前がそんなんなら、そんなお前を越えようと躍起になってた俺は一体なんなんだよ。
「…色恋沙汰？この想いがそんな甘いもんで済んだらどれだけいいか。これは…歪んで歪んで解けなくなった
あァ、違ェ。
本当にくだらねェのは───
「でも、それでいいんだ。だって、あの人は私の全てだから…あの人だけが私の生きる理由だから…！」
───いずれお前より強くなりさえすれば、お前が傍に無条件で立ってくれんじゃねェかと勝手に自惚れてた…俺自身だろうが、クソ。
・
ああもう、こんなこと話すつもりじゃなかったのに。
爆豪に自分の夏油様への想いをバカにされたような気がしてついついムキになってしまった。
そして空気を読んだつもりなのか知らず知らずのうちにリカバリーガールはいなくなっていて。ここにいるのはクソ不機嫌な爆豪に珍しく暗い顔して押し黙る緑谷。
……気まずいったらありゃしない。
そんな時、まるでこの殺伐とした空気を吹っ飛ばすみたいに勢いよく保健室のドアが開けられたかと思えば───
「はい！！おっぱっぴー！！…なんつって！」
「虎杖…ちょっとは空気読めよ。」
「はァ。…にしてもAったら、相変わらずクソ重いのね。」
どこか既視感のある巫山戯たポーズを取った一人の男と、それをジト目で見つめる男女が現れたのだ。
「は、？なんで……。」
なんで、あんた達がここに。
「悠仁、」
「おう！」
「恵、」
「あぁ。」
「野薔薇、」
「えぇ。」
懐かしいその名前を噛み締めるかのように口に出す。
「ずっと、会いたかった。」
ああ、なんで、ただ会えただけなのに───こんなに涙が止まらないんだろう。
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瑞樹(プロフ) - はい、先日はわたくしの作品にコメント有難うございました。とても励みになっております。さて、あなた様の作品。圧倒的に面白いと感じました。表現が素晴らしく、とても読み応えがありました。更新頑張って下さい。応援しています。 (2022年11月9日 17時) (
レス) id: 20e1982af2 (このIDを非表示/違反報告)
愛ってなんや？ - てぇてぇよ。悠二くんたちいるんですね！！！よかった泣面白いです、更新待機してます！、 (2022年10月23日 8時) (レス) @page32 id: 027cc676f2 (このIDを非表示/違反報告)
冷凍保存食品(プロフ) - 胸熱展開やばい！！！！応援してます！！！！！！ (2022年10月20日 23時) (レス) @page31 id: 5ac8dc0a14 (このIDを非表示/違反報告)
ウパー(プロフ) - いつも楽しく読ませていただいてます！ずっと続きを待っていたので更新とても嬉しいです！陰ながら応援しています！ (2022年10月17日 15時) (レス) @page30 id: 63329ae988 (このIDを非表示/違反報告)
4CE - 続きを…！待っています…！！ (2022年9月10日 1時) (レス) @page28 id: 660f048392 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おかかのおにぎり
| 作成日時：2022年1月29日 19時
