会いたかっただけなのに。 ページ30
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ああ、最悪のタイミングだ。
「あ゛？どういう事だァ？クソアマ！！」
よりにもよって今、最も面倒な奴が来た。
私の突然の退学宣言に唖然としていた緑谷もそんな爆豪の喧しい登場にハッとして、「そうだよ、どうしたんだよAちゃん…！」と慌てて言葉を続ける。
(どういう事も、どうしたも、何も。どうせ説明してもあんた達には理解できないだろ。)
保健室に怒鳴り込んできた爆豪に胸倉を掴まれようと涼しい顔をしてその青筋が浮かび上がった手を見下ろす私に、彼は「チッ」とどデカい舌打ちをかましたかと思えば私の襟元から手を離し、今度は静かに核心に迫るように私に聞いてきた。
「……“アイツ”が関わってンのか。」
「っ…さあね。」
アイツというのは私が倒れる直前に注視していた──羂索の事だろう。爆豪には、決着直前にあれだけよそ見を続けた挙句“アイツ”を殺しただなんだと発狂している私を目の前で見られたのだ。何かしら勘づかれるのは当たり前だろう。きっとこの質問も彼の中では確信がありながら聞いているに違いない。
そう、私の中で爆豪が羂索に関することを聞いてくるのは想定内だったのだ。
だがしかし。
「かっちゃんの言う“アイツ”って、もしかして袈裟を着た…額に縫い傷のある男の人？」
「……まさか緑谷、“アイツ”と会ったのか？」
緑谷まで羂索の存在を知っているとは私は夢にも思わなかったのだ。
いくら袈裟を着た男が目立つとはいえ、額に縫い傷があることまで知っているとなるとかなり近い距離で面と向かって会ったとしか考えられない。
「う、うん。Aちゃんが倒れたあとその人が僕の席に近づいてきて、『彼女に“また会おう”と伝えておいてくれ』って伝言を頼まれたんだ。」
……巫山戯やがって。何が“また会おう”だ。私はテメェの存在のせいで…夏油様と会う希望を絶たれたというのに。
ああ、虫唾が走る。
だがそれが羂索と私の宿命だというのなら。
「殺す、何度だって殺してやる…！！」
無意識にそんな言葉が口から漏れ出た。
そして彼は勿論それに黙っている奴ではない。
「殺すなんて簡単に言わないでよ…！君は…君の力は、沢山の人を救えるものなのに…！」
ああ、こいつは大きな勘違いをしている。
私がヒーロー目指した理由なんて───
「ハ？いつ私が人を救いたいだなんて言った？私はただ……あの人に会いたかっただけなのに！！」
───ただ、それだけだ。
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瑞樹(プロフ) - はい、先日はわたくしの作品にコメント有難うございました。とても励みになっております。さて、あなた様の作品。圧倒的に面白いと感じました。表現が素晴らしく、とても読み応えがありました。更新頑張って下さい。応援しています。 (2022年11月9日 17時) (
レス) id: 20e1982af2 (このIDを非表示/違反報告)
愛ってなんや？ - てぇてぇよ。悠二くんたちいるんですね！！！よかった泣面白いです、更新待機してます！、 (2022年10月23日 8時) (レス) @page32 id: 027cc676f2 (このIDを非表示/違反報告)
冷凍保存食品(プロフ) - 胸熱展開やばい！！！！応援してます！！！！！！ (2022年10月20日 23時) (レス) @page31 id: 5ac8dc0a14 (このIDを非表示/違反報告)
ウパー(プロフ) - いつも楽しく読ませていただいてます！ずっと続きを待っていたので更新とても嬉しいです！陰ながら応援しています！ (2022年10月17日 15時) (レス) @page30 id: 63329ae988 (このIDを非表示/違反報告)
4CE - 続きを…！待っています…！！ (2022年9月10日 1時) (レス) @page28 id: 660f048392 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おかかのおにぎり
| 作成日時：2022年1月29日 19時
