美しき自尊心。 ページ15
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オールマイトは、涙をぐいっと乱暴に拭って去ろうとする爆豪を止めて言う。自尊心は大事なものだ、君は間違いなくプロヒーローになれる力を持っている、と。
それに対して爆豪は「言われなくてもアンタを超えるヒーローになる」と生意気に答えた。
私はそんな彼を相変わらずだなと思いつつも、「爆豪、」と声をかけた。私から彼に話しかけるのは始めてだった。
それくらい私は彼の心の強さに感動していた。
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私はいつも大切な人を守れなかった、夏油様だってそうだ。それどころか私は…五条悟に助けれられていなかったら上層部に殺されるところだったのだ。
私はただの雑魚だった。あまりにも非力な弱者だった。
そんな私が私は大嫌いだった。
そして極限の自己嫌悪という、死に限りなく近い苦しみから抜け出そうと必死にもがき続ける中で、私は間違った自尊心を持ってしまった。…いや、その心は最早腐敗が進みすぎて自尊心とも言い難い何かだったか。
私の歪み切った心は、呪術師、非術師に関わずとにかく自分より弱いやつをただひたすらに蔑んだ。自分より弱ければ何でも良かった。私はただ自分はマシなんだと、コイツらよりは強いから生きる価値があるんだと思いたかっただけだった。
最早、夏油様の理想を貫くという意志も何処かに忘れ去っていた。
今思えばその頃の私は脳みその中身・心の持ち方だけの話をするならば、ただの愚かな猿と同じだった。
そんな中で私は高専で彼女達に出会った。
本当の強さとは心の美しさとは何か。
それは自分で気づくことは出来なかった。
不本意だけど、真希や野薔薇が全部全部教えてくれた、気づかせてくれた。
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何となく、それを今爆豪にも伝えたいと思った。
彼ならこんなこと言われなくてもわかってると思うけど、それでも伝えたい。
多分、爆豪は───
「……自尊心ってのはさ、他人を見下す為にあるんじゃなくて、自分の強さを信じて貫く為に、自分が自分を好きでいられるようにする為に、あるんだ。
弱者と己を比べてやっと持てる自尊心なんて糞と同然。だけど…昨日の自分と今日の自分を比べて持てる自尊心は明日の自分を強くする。
だから爆豪、アンタはきっと……いや、なんでもない。」
───きっと、強くなるから。
そんな言葉はあまりにも変わり身が早すぎてみっともないし、真希を完全に認めるみたいで嫌だったから、黙っておいた。
そう、私はあれだけ嫌っていた筈の爆豪に、密かな希望を抱いてしまったのだ。
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瑞樹(プロフ) - はい、先日はわたくしの作品にコメント有難うございました。とても励みになっております。さて、あなた様の作品。圧倒的に面白いと感じました。表現が素晴らしく、とても読み応えがありました。更新頑張って下さい。応援しています。 (2022年11月9日 17時) (
レス) id: 20e1982af2 (このIDを非表示/違反報告)
愛ってなんや？ - てぇてぇよ。悠二くんたちいるんですね！！！よかった泣面白いです、更新待機してます！、 (2022年10月23日 8時) (レス) @page32 id: 027cc676f2 (このIDを非表示/違反報告)
冷凍保存食品(プロフ) - 胸熱展開やばい！！！！応援してます！！！！！！ (2022年10月20日 23時) (レス) @page31 id: 5ac8dc0a14 (このIDを非表示/違反報告)
ウパー(プロフ) - いつも楽しく読ませていただいてます！ずっと続きを待っていたので更新とても嬉しいです！陰ながら応援しています！ (2022年10月17日 15時) (レス) @page30 id: 63329ae988 (このIDを非表示/違反報告)
4CE - 続きを…！待っています…！！ (2022年9月10日 1時) (レス) @page28 id: 660f048392 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おかかのおにぎり
| 作成日時：2022年1月29日 19時
