再会と絶望。 ページ27
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まぁさすがに個性が無効化された相手に単純な体術負ける私では無い。これで終わり、と呪力を込めた蹴りを爆豪の土手っ腹に入れようとした、その時だった。
ふと視界の先にあった観覧席に、既視感しかない袈裟──私の戦闘服と同じ色・形・模様の袈裟を身にまとい、黒髪を特徴的に束ねた人物がいるのを私が認識したのは。
まさか…まさか…！！そう思って、瞬時に自分の視力を術式で上げてそちらを見る。
しかし、私がその人物の“額”を見た時、先程までの期待やら歓喜やらから一転、一瞬にして絶望に突き落とされた。
「…………は？」
なんで、なんで───あのクソ気色悪い“縫い目”があるんだよ。
「…あ？何よそ見してんだクソアマ！！！」
動揺のあまり、振り上げた私の脚はすんでのところでピタリと止まり、加えて私が手加減したと勘違いしたのか更にキレた爆豪からのカウンターをいとも容易くくらってしまった。
個性を使ってない分、カウンターで吹き飛ばされたとはいえその距離も場内に留まる程度に過ぎないし、与えられたダメージもたかが知れてる。だが私は地面に蹲った状態から立つことは愚か動くことすら出来なかったのだ。
アイツがあの姿でここにいるということが何を意味するか。それは、信じたくもない到底受けいられるはずもない事実──。
この世界に夏油様はいない。
「……んで、なんで！！なんでよ！！！！」
「ああ゛？ハッ、吹っ飛ばされた時に頭でも打ったんか？」
「なんで…なんで、アイツが…っ！！！！なんで夏油様じゃなくてアイツなの！？どうして…！！どうして…！！アイツの術式は解いたはずよ！いや、そうでないとおかしい…！だってアイツは───私がこの手で殺したんだから。」
「……は？殺した…？おい、さっきから何言ってやがんだテメェ…！」
ははっ、それともなに？
私が死んだのに生き返ったのと同じで、あの日アイツも確かに死んだし夏油様の体を理不尽に縛る術式も解けたけど、この世界に来たから全部全部リセットされたってこと？
なら…どうせリセットするなら、いっその事夏油様が生きている前にリセットしてくれたら良かったのに。
夏油様に見つけてもらうためにヒーローになる───何？その浅はかな夢は。
この世界には 夏油様はいない。
つまりはこの瞬間勝つ意味も、ヒーローになる意味も、これ以上生きる意味も全てが消え失せた。
「ああ、もうどうでもいいや。」
その瞬間私の意識はプツンと切れた。
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瑞樹(プロフ) - はい、先日はわたくしの作品にコメント有難うございました。とても励みになっております。さて、あなた様の作品。圧倒的に面白いと感じました。表現が素晴らしく、とても読み応えがありました。更新頑張って下さい。応援しています。 (2022年11月9日 17時) (
レス) id: 20e1982af2 (このIDを非表示/違反報告)
愛ってなんや？ - てぇてぇよ。悠二くんたちいるんですね！！！よかった泣面白いです、更新待機してます！、 (2022年10月23日 8時) (レス) @page32 id: 027cc676f2 (このIDを非表示/違反報告)
冷凍保存食品(プロフ) - 胸熱展開やばい！！！！応援してます！！！！！！ (2022年10月20日 23時) (レス) @page31 id: 5ac8dc0a14 (このIDを非表示/違反報告)
ウパー(プロフ) - いつも楽しく読ませていただいてます！ずっと続きを待っていたので更新とても嬉しいです！陰ながら応援しています！ (2022年10月17日 15時) (レス) @page30 id: 63329ae988 (このIDを非表示/違反報告)
4CE - 続きを…！待っています…！！ (2022年9月10日 1時) (レス) @page28 id: 660f048392 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おかかのおにぎり
| 作成日時：2022年1月29日 19時
