個性は呪いとも。 ページ1
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昔から人に触られるのが耐えられなかった。
触れられれば忽ち悍ましい程の悪寒がこの身を襲い、ふつふつと身体の隅々まで鳥肌が立ち…仕舞いには吐き気を催すことだってざらにあった。
幼い頃はなぜ自分がそうなのかわからなかった。
だが理由は分からないが、私は気づけば私以外の人間をただただ「穢らわしい」と軽蔑していた。そこには私の肉親ですら含まれていた。
でも母も父も祖母も祖父も兄も。皆、そんな私に優しかった。正に“純愛”。私にとって理解不能な違和感とくすぐったさがそこにはあった。
私が五歳になったある日、私は遂に全てを“思い出した”。
何故私が他者との触れ合いを嫌うのか、何故私は与えられた愛に違和感を感じてしまったのか、そして私は“何者”なのか。
それら全てを思い出した時───赤黒く塗り替えられた我が家と家族らを見た時───私の口から出た言葉はただ一つ。
「醜い猿共がッ……。」
それは流石に自分をひたすらに愛してくれた自分の家族への言葉ではなかった。私とて彼らへの情やら感謝やらは仮初のものではあるがきちんとこの胸に刻んでいたのだ。
ならばそれは誰に対しての言葉だったのか。
それは私が全てを思い出すきっかけとなった事件を引き起こした──私が家を開けている間に私の家族を皆惨殺した──ヤツらに対してのものだった。
そして“個性”という全人口の八割が持ちうる力を制御しきれぬこの弛んだ世界に対しての言葉でもあった。
“個性”とはある種の“呪い”だと私は思う。
全人口の八割もの人々に発現しうるその巨大な力(当然個人差はあるが)は今となっては制御しきれぬ巨悪の根源と成り果てているのではないか。
だからヴィランたるものが現れたのだろう？
そしてその“
結局ところその“呪い”を完全に飼い慣らせないまま、どんどんとその制御不能な因子を我が子我が子へと徐々に色濃く引き渡していってしまう、新たな巨悪を生み出すだけの弱者に生きている価値があるのか？
私からすれば同じ弱者は弱者でもそもそもその“呪い”から解脱している残り二割…俗に無個性と蔑視される彼らの方が余程素晴らしい生き物だと思う。
…なんてそんな私の考えは他者に受け入れられるはずも無いから進んで口には出さなかった。
(結局私はこの世界でも心の底から笑うことが出来ないままか…。)
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瑞樹(プロフ) - はい、先日はわたくしの作品にコメント有難うございました。とても励みになっております。さて、あなた様の作品。圧倒的に面白いと感じました。表現が素晴らしく、とても読み応えがありました。更新頑張って下さい。応援しています。 (2022年11月9日 17時) (
レス) id: 20e1982af2 (このIDを非表示/違反報告)
愛ってなんや？ - てぇてぇよ。悠二くんたちいるんですね！！！よかった泣面白いです、更新待機してます！、 (2022年10月23日 8時) (レス) @page32 id: 027cc676f2 (このIDを非表示/違反報告)
冷凍保存食品(プロフ) - 胸熱展開やばい！！！！応援してます！！！！！！ (2022年10月20日 23時) (レス) @page31 id: 5ac8dc0a14 (このIDを非表示/違反報告)
ウパー(プロフ) - いつも楽しく読ませていただいてます！ずっと続きを待っていたので更新とても嬉しいです！陰ながら応援しています！ (2022年10月17日 15時) (レス) @page30 id: 63329ae988 (このIDを非表示/違反報告)
4CE - 続きを…！待っています…！！ (2022年9月10日 1時) (レス) @page28 id: 660f048392 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おかかのおにぎり
| 作成日時：2022年1月29日 19時
