風邪と一時しのぎのヒーローと赤点。 ページ10
話の都合上、反転術式では風邪は治せないという設定でいきます
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2日目に控えていた最大の障害である世界史を乗り越えたA。とはいえ、残りの教科に関しても流石に皆が一週間以上前からコツコツ対策しているテストなのだ。そこに自分だけノー勉で向かえば酷い結果が待ち受けているのは考えなくても分かることだった。ゆえに筆記テストが行われたここ3日、Aは連続で徹夜していた。つまり三徹目の今日、Aの心身はボロボロだった。
反転術式が使えるため、脳の疲労等は簡単に回復できる。が、Aには医療知識がほぼ皆無なため、昔から体内の免疫の向上や菌・ウィルスへの対処はてんでダメだった。反転術式を使う際は精密な呪力操作が必要なのだが、人体への知識があまりにも無ければ、そもそもどう呪力操作を行えば良いのかが分からないのだ。
そして今回。
「Aさん、テストいけましたか？」
「……」
「…Aさん？」
「！…あぁ、まぁ。次は……って、あ。やば───」
「ッ！Aさん！！」
案の定無理が祟り、Aは風邪に倒れた。
最後にAの視界に映ったのは、かの気に食わない腐れ縁の二人が、こちらに駆け寄り焦燥する様子だった。
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爆豪は気づいていた。少し前からAの様子がおかしい事に。それは単に付き合いの長いからなのか。それとも、爆豪が普段から無意識に視界の片隅で彼女を追っているからなのか。
「チッ、あンのクソ阿呆…！」
「どうした爆豪？…って、大丈夫かよA！？」
何にせよ、爆豪は気に食わなかった。
自分が知らないところで、限界までその心身を追い込んでいるAのことが。
「Aちゃん！！」
もう一人、自分と同じくAの異変にいち早く気づき駆けつけたものがいることが。
「触んな、クソデク。お前はセンコーにでも知らせてこい」
自分を含め誰にも心を開かず、信用などしないクソアマ。誰にも助けを求めないクソ阿呆。爆豪はAのことを、そう思っていた。けれど、決して“誰にも”ではなかったのだと、あの体育祭の日にAが泣いて縋った、得体の知れない三人の男女によって気付かされた。
だから、せめて。
今この時だけでも、この生意気なクソアマを救い上げるのは自分で無ければならないと、言い切りたかった。
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そして試験が全て終わった後、保健室で目を覚ましたA。
「あの、先生。私の実技試験って…」
「問答無用で赤点だ」
「えぇ…」
Please call my name!!→←立派な脳みその使い方。
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ハノン(プロフ) - 八百万さんの優しさがしみました、、、😭更新ありがとうございます。 (4月6日 15時) (
レス) @page15 id: b1aa25fb33 (このIDを非表示/違反報告)
さくにょ(プロフ) - 続編おめでとうございます！！前編から読ませていただいておりました！これからも楽しく読ませていただきます！ (7月12日 20時) (レス) @page6 id: f500b808b7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おかかのおにぎり
| 作成日時：2023年7月12日 20時
