気まずい常闇くん。 ページ7
教室に入ると、皆が各々の職場体験先でのことを話で盛り上がっていた。控えめに言っても、とても元気だ。かく言う私は、ここ数日での公安との長時間に渡る交渉と仮免試験に向けての訓練でだいぶ疲労が溜まっていた。
自席に着くやいなや私は机に突っ伏する。今は少しの仮眠時間でも惜しい。それにこの姿勢にしておけば、大抵の人間は気を使って話しかけてこない。
しかしまぁ、問題がある。突っ伏することで視覚情報は遮断できる。ただ状況的に当たり前だが、周囲の声は想像の何倍も喧しく意識的に遮断しようにも出来ないのだ。
その中で葉隠が常闇に「九州どうだった？」と尋ねる声が聞こえてきた。常闇の反応は当然だがイマイチである。その様子を受けて、「そういえば、Aも常闇と同じとこだったよね」と葉隠が言う。どことなく私の方に視線が向いているのは、見ずとも分かるが、無視。
暫くして、教室中の話題はステインについてへと移り変わっていった。
ヒーロー殺し、ステイン。どことなく思想が私に近い。シンパシーと言おうか仲間意識と言おうか、そんな何かを彼には感じる。彼が捕まる前に、一度でいいから会って話しをしてみたかったものだ。なんて、教室には彼から被害を受けたクラスメイトが居るのに思ってしまう私は、やはり救いようが無い。
・
その後のヒーロー基礎学では、救助訓練レースが行われた。そこで運悪く、私は何かと絡んでくる爆豪と今最も気まずい常闇と同じ組に分けられた。
結果は、まぁ流石にあのホークスについていけた私が負けるわけもなく1位。
だが、問題はここから。
まずは爆豪。
「くっそ、テメェ！まだンな能力隠してやがったのか！！相変わらずのクソ舐めプ女が！！」
「黙れ、晩年クソうるさ野郎」
そして今度は常闇。
「……俺は、どうすればお前のようになれる？」
「いや、知らないし。だってそもそも、常闇と私じゃ個性のタイプが全く違うでしょ」
「それは、そうだが」
「…アンタってホークスから“鳥仲間”って言われたんでしょ？それが答えなんじゃない？」
「……そうか」
私がそう答えると常闇は少し不服そうな表情で踵を返して行った。…なんか、勘違いされた気がする。
私的には「ホークスの動きからヒントを得るのが一番簡単だろ」とかそういう意味を含ませたつもりなのだが。もしかして見下しているように聞こえたか？…分からん。
あークソ。やっぱり頭が回らなくなるから、過労は良くない。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1420人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ハノン(プロフ) - 八百万さんの優しさがしみました、、、😭更新ありがとうございます。 (4月6日 15時) (
レス) @page15 id: b1aa25fb33 (このIDを非表示/違反報告)
さくにょ(プロフ) - 続編おめでとうございます！！前編から読ませていただいておりました！これからも楽しく読ませていただきます！ (7月12日 20時) (レス) @page6 id: f500b808b7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：おかかのおにぎり
| 作成日時：2023年7月12日 20時
