３． ページ3
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間に合え、間に合え、と必死に足を動かす。
そしてやっと私たちが別れた場所、エレベーターの前で涙を流して立っている黒井さんの姿を見つける。黒井さんは私に気づくと「理子様にに何か…！？」と血相を変えて私に駆け寄る。
そんなわずか人瞬き、その間に気づけば黒井さんの後ろにあの男はいた。その手には刀が握られている。
『避けて！！！！』
私の言葉で、すんでのところで男の気配を察知した黒井さんは振るわれた刀をなんとか避ける。
私は即座に呪具である刀を構えて、黒井さんを後ろ手で庇う形で黒井さんと男の間に立ち、改めて男の顔を見据える。
やはり術式を使ってもそこからは何も視えなかった。
改めて目の前の男を凝視すると、その体は真っ赤にぬれている。…考えたくもないが、ここにいるということは五条くんを殺した、その返り血と考えるのが妥当。
フツフツと湧く怒りをなんとか制して、冷静になれと自分に言い聞かせる。
私はふぅ、と一つ息をついて、まず黒井さんにエレベーターを使って上に逃げてくれ、と伝えて黒井さんを逃がす。
そしてその後、目の前の敵の瞳を静かに見据えて口を開く。
『あなた、何の為に天内さんを狙うんですか？』
「あ？ンなもん金のためだ。その天内とかいう星漿体の奴さえ殺せば盤星教から3億入んだよ。まぁ、お前らみたいなガキでもその上の金額を俺に払えるってんなら、この任務から降りてやってもいいけどな。」
普段人の醜い部分は術式も相まって人一倍見慣れているけれど、それでもドン引くほどこいつはクズだと思った。
……にしても、お金かぁ。
『…はぁ、今ここに五条くんさえいればそんなの端金だわって言って払ってもらえるのになぁ。』
私は一縷の望みをかけてそう聞いた。
たまたま五条くんを撒けただけで、五条くんはまだ生きているのではないかと。…そんな希望的観測をせずにはいられない、五条くんがやられるというのはそれくらい絶望的な状況だったのだ。
「あー悪いな。それなら俺が殺しちまったからなぁ。」
まぁそんな望みも一瞬にして打ち砕かれたのだが。
五条くんが勝てない相手に私が到底勝てるわけなどない。
ならばここは────交渉と行くべきだ。
こいつが望むものは金。…しかし私にそれを払う財力などない。なにかお金の代わりになるものは…と、思考をめぐらせた結果、ふとピンッと来た。
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やんこち - ぐぁぁぁ…気になりすぎる！！とても素敵な作品をありがとうございます✨続き待ってますっ！！ (10月21日 2時) (
レス) @page19 id: 53e7ed5961 (このIDを非表示/違反報告)
レモン - えっとですね！直哉くんなにかに目覚めたらしいのパスワードを教えてください！ (2023年3月18日 21時) (レス) @page3 id: aff6f0444c (このIDを非表示/違反報告)
ツバメ - もっと皆の絡みが見たいです(甚爾が呪詛師から東京校の術師側に転職するのもアリかもです) 更新頑張って下さい (2022年1月22日 0時) (レス) id: e61b67cd9c (このIDを非表示/違反報告)
ツバメ - 案外甚爾がこっそり払っていたんですね私も夢主が払うのだとばかり思ってました 甚爾ごめん 何げに仕事ではちょくちょく高専側から何故か甚爾が駆り出されみたいななんだかんだの関係や絡みがあったら面白いと思うのですがどうでしょうか？ (2022年1月22日 0時) (レス) @page19 id: e61b67cd9c (このIDを非表示/違反報告)
ツバメ - もっとこの家族達の事や難しくても高専や「さ.し.す」組と色々な絡みが見てみたいです 続編楽しみに待ってます (2021年7月29日 19時) (レス) id: e61b67cd9c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おかかのおにぎり
| 作成日時：2021年4月18日 6時
