カントクの妹は青学の高嶺の花でした【2】 (ページ14)

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笠の花、2本ページ14

【笠松Side】

武内「な、なんだと！？貴様っ目上の人を敬えと学校で習わなかったのか！」

『生憎ですが尊敬できない相手に敬語を使ったり愛想よくしたりするようなかわいい性格してないんで

てか誠凛バカにすんのは勝ってからにしろよ』

武内「…………っ」

監督は苦虫を噛み潰したような顔をして、そそくさと行ってしまった……美人が怒るとマジ迫力半端ねぇな

息を呑んで見ていると、その女子はくるりと監督に背を向け……俺達の方に一歩近づいた

あれ、これ俺らもなんか言われんのか……？

不安と恐れ、そして改めて綺麗だな～という場違いな感想と共にドキドキしていた……いや俺は悪くない、これは男の性なんだ、うん

黄瀬「あ、あの……Aっち？」

『…お見苦しいところを見せしてしまい、大変失礼しました』

笠松「……へ？」

思わず変な声が出た……え、謝られてる？頭下げてるよこの子、なんで？？俺どうしたらいいんだ…？

呆然としているのに気付いてんのか、気付いてて無視してんのか知んねーけど、ようやく顔を上げたと思ったら、今度は森山に小さく会釈した

『森山さん、でしたよね。先程はありがとうございました』

森山「え、あっ、え？」

『褒めて頂いたので。お礼はするべきかと』

森山「～～～～～っ！！」

無表情で淡々と言う少女を前に、森山が撃沈した

『あの…大丈夫ですか』

小堀「あ、ああ………大丈夫だよ…たぶん」

黄瀬「たぶん！？」

早川「全然大丈夫に見えないっス！！と(り)あえず！も(り)山先輩をどうにかしないと！！」

黄瀬「早川先輩！早口だしラ行言えてないし、何言ってんのか全然わかんねーっス！！」

小堀「黄瀬、お前まで騒ぐなって；」

笠松「もうほっとけよ…」

ぎゃんぎゃんうるせー早川と黄瀬、いまだ悶絶している森山、どうにか落ち着かせようとしている小堀、そして分かりにくいが困惑の色を滲ませる誠凛マネ

なんだ、この混沌(カオス)は…

小堀、もうそいつらはほっとけ、あとで俺が〆るから←

笠松「…………主将(キャプテン)の笠松だ……今日はよ、よろ、しく」

女は苦手だが…これは部活、しかも相手は練習試合相手のマネージャーだ…ならちゃんと挨拶をしないといけない……例え必要最低限でもキョドってしまったとしても、しないよりはいい……はず

『ご丁寧にどうも。誠凛臨時マネとして駆り出されてきました、青春学園中等部3年相田Aです』