ありおかさんちの場合 ページ5
in視点
ほかほかと湯気を立てるマグカップに口をつけて、窓の外を眺めると今にも雪が降りそうな曇り空。
どうりで冷え込んできたと思ったわ、エアコンだけじゃ足りなくて、重たい体を動かして小さなヒーターのスイッチを入れた。
薮んちにお邪魔してからというもの、侑李くんとは頻繁にメッセージのやり取りをする仲になっていて。
もしもの時、大ちゃんに連絡が取れなかったら僕に連絡してねなんて心強いことを言ってくれている。
｢…っわぁ、マジかよ｣
気がつけば空からは重たそうな雪がしんしんと降り出していて、車で仕事に行った大ちゃんのことが心配になる。
もうすぐクリスマス、雪が降ってもおかしくはないのだけれど、この都会では割と珍しいことだし。
｢あ…っ腹いて…｣
突然便意を催して、トイレに行くけど…出ない。
それからもお腹を下した時のような、もやっとした嫌な痛みが襲うたび今度こそ、と思いながら用をたそうとするものの…やっぱりそうでもなく。
もう、なんなの。冷えて腹壊したかな。
そう思った何度目かのトイレの時だった。
｢え、｣
ティッシュにうっすら血がついてる。
え、痔かな…
そりゃ痔になるような覚えがないと言えば嘘になるけど、妊娠してからはそんな激しいことしてないし…
んー…大ちゃんのでけぇから、一昨日のアレで切れちゃってたのかな、いやでも…
｢待てよ？｣
誰に言うでもなく、一人で呟く。
｢これって、おしるし…？｣
そう思った瞬間、ちくちくと襲う痛み。
予定日までは一週間、いつ来たっておかしくないのに油断してた。
とりあえず冷静に痛みと痛みの間隔を計ると、きっちり定期的。
｢えええマジかよぉ…！大ちゃん、｣
これ、陣痛じゃん！！
焦って大ちゃんに電話するけど、この時間はまだ仕事中…やっぱり出ない。
とりあえずいつものクリニック、電話しなきゃ。
『もしもし、藤井クリニックです』
｢あ、もしもし、あの、そちらでお世話になってる有岡なんですけど、もしかしたら陣痛来たかもしれなくて｣
焦る俺の声を聞いて、受付のお姉さんは助産師さんに電話を変わってくれた。
痛みはいつから？間隔は？おしるしは？
ゆっくり、優しい声で訊ねられるうち俺も少しずつ冷静になってくる。
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Shee.(プロフ) - とまとさん» ありがとう！上手いこと行けばあります！← (2018年11月1日 17時) (
レス) id: 8e67ef454c (このIDを非表示/違反報告)
とまと(プロフ) - 完結おめでとー☆彡スピンオフあるの？！って喜んでます！☆連打できないのが悲しい(´；ω；`)楽しみにしてます♪ (2018年11月1日 16時) (レス) id: 561587332a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Shee.
| 作成日時：2018年10月24日 23時
