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｢さ、行こうか｣
｢へ、どこに？｣
｢外だよ。桜満開じゃん、お花見しようぜ！｣
｢夜桜か、風流だね｣
コンビニでビールとサワーを買ってから近くの公園に行くと、意外と穴場なのか人はあまりいなくて、二人でベンチに腰掛けた。
｢今日もお疲れさん｣
｢薮さんこそ、お疲れ様です｣
かこんと缶を合わせて乾杯をする。
…ほんとはお酒強いんだけど、少しでもかわいいって思われたくて選んだサワー。
桜の木の下には、手を繋いで満開の花を見上げるカップルがいて、羨ましいななんて思う。
はぁ。
サワーにしなけりゃよかったかな。
少し酔ってしまえば、多少大胆なことも出来たかもしれないのに。
｢…結構冷えるな、寒くない？｣
そう言って僕に渡そうと自分のジャケットを脱ごうとしてるけど、
｢薮さんガリガリなんだから絶対寒いでしょ。
…こうするから平気｣
制止して、太ももと太ももが触れるくらいぴたりとくっついて座った。
僕は、酔ってるだけ。
そう勘違いしてくれたって構わない。
｢ねえ薮さん｣
｢なに？｣
｢初めて会った日、なんて言ったか覚えてる？
…そろそろ宏太って呼ぼうかな｣
｢…はぁ、お前それ、今言うこと？｣
ざぁ、と強い風に煽られて淡いピンクの花びらが舞う。
薮さんは膝に肘をついて、大きな手で口元を隠していた。
｢今じゃ何がダメなの？｣
｢いや…ダメとかじゃないけど｣
｢じゃあいいじゃん、"宏太"｣
触れる太ももがじわりと熱をもつ。
宏太は大きく一つ息を吐くと、僕の顔を下から覗き込んだ。
｢"侑李"｣
｢っ、なに｣
｢好き｣
｢…それ、今言うこと？｣
｢うん、今じゃダメだった？｣
｢遅いよ…バカ｣
ほんとはね、太ももなんかじゃ足りない。
寒かった。
ぎゅうって抱きつくと、"ふはっ"て笑って抱き締め返してくれる。
見えないけど、多分、僕の大好きな優しい笑顔で笑ってるんだろうな。
薄い胸からは少し早い心音と、近くのコインランドリーの柔軟剤の匂いと、煙草の匂い。
｢…いつから？｣
｢えーそれ言わなきゃだめ？｣
｢ダメ。今言わなきゃやだ｣
｢…侑李と初めて目が合った時から｣
｢なんだよそれ｣
恥ずかしい。聞かなきゃよかった。
｢侑李は？｣
｢僕も、同じ。王子様が現れたって思った｣
｢待って、はっず！｣
さっきより強く抱きしめられると、さっきより速い心音が耳に響いて僕までどきどきする。
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Shee.(プロフ) - とまとさん» ありがとう！上手いこと行けばあります！← (2018年11月1日 17時) (
レス) id: 8e67ef454c (このIDを非表示/違反報告)
とまと(プロフ) - 完結おめでとー☆彡スピンオフあるの？！って喜んでます！☆連打できないのが悲しい(´；ω；`)楽しみにしてます♪ (2018年11月1日 16時) (レス) id: 561587332a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Shee.
| 作成日時：2018年10月24日 23時
