やまださんちの場合 ページ14
hk視点
もぞもぞ。
不器用に寝返りをしようとしては失敗し、
「…ふぅ」
「うはは、何今の!ため息?」
「そうみたい。おっかしーでしょ赤ちゃんなのに」
生まれて三ヶ月ほどのくせに、"できねー"って言うみたいにため息をつく雄也。
「なんか、雰囲気いのちゃんに似てんね」
「そうかなぁ。わ、どーしたの」
突然ほぎゃほぎゃ泣き始めた雄也を抱きあげて、キッチンへ向かおうとする。
「ミルク?いーよ、俺やっとく。
先に母乳あげたら?」
「ごめんな、助かる」
まあ男同士だし、気にせずぺろんと服を捲り上げるいのちゃんの胸は少しだけふっくらしてた。
「ごめんなー雄也、あんまり出なくて」
「男ってみんなあんま出ないんじゃないの?」
「まぁ…そう言われるけど、やっぱ気にするよ」
母乳だけじゃ足んなくて、粉ミルクを後からあげてるんだけど、ほんとは真面目ないのちゃんは自分が情けないって言うんだ。
「それに雄也、哺乳瓶より明らかにこっちの方が食いつきいいし。
こんなとこパパに似ちゃったかなぁ」
「やめてそういうの」
「ごめんごめん。想像した?」
したよ、想像。
大ちゃんが嬉しそうにいのちゃんの胸に吸い付いてる姿が浮かんで恥ずかしくなっちゃった。
「でも雄也元気だねぇ、ほっぺぷくぷく。
はい、ミルク」
「ありがと。ひかるももうすぐだね?」
「うん、いのちゃんの陣痛の時見てたから超怖いよ」
「わかんないよ?山田とひかるの子だしめちゃくちゃ優しいかも」
「だったらいいけど…」
「そこは否定しないのかよ」
ミルクも全部飲んじゃって、上手にげっぷまでした雄也はご機嫌に足をパタパタさせていた。
「山田毎日雄也の写メ見てにやにやしちゃってさ、自分の子生まれたらヤバそう」
「あー、保育士なるか悩んでたって言ってたもんね?なんでやめたの?」
「収入」
「うーわぁ、山田さすがだわ。
昔っからひかるを幸せにすることしか考えてないのな」
いのちゃんの言う通り、山田はいつだって俺が一番で。
俺もそんな山田を一番に幸せにしてあげたいって思う。
「ふふ、ひかるかーわい。
今日山田は?遅いの?」
「んーん。19時には帰ってくるかな。今はちょっと落ち着いてるよ」
「ならよかった。
あ、冷凍庫のハンバーグ持って帰ってよ!作りすぎちゃってさ、もうお腹大きいんだし楽しな?」
「え、ありがとう。いいの?」
料理教えてー、って困り顔だったいのちゃんも今や立派な母親で、奥さんだな。
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Shee.(プロフ) - とまとさん» ありがとう!上手いこと行けばあります!← (2018年11月1日 17時) (レス) id: 8e67ef454c (このIDを非表示/違反報告)
とまと(プロフ) - 完結おめでとー☆彡スピンオフあるの?!って喜んでます!☆連打できないのが悲しい(´;ω;`)楽しみにしてます♪ (2018年11月1日 16時) (レス) id: 561587332a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Shee. | 作成日時:2018年10月24日 23時