かぼちゃの馬車 ページ12
ハロウィン短編。
in視点
10月末、ひかるの働くお店で貸切で催されるハロウィンパーティにお招きされた俺は約束の時間に店のドアを開けた。
｢いらっしゃいませ！｣
｢わ、裕翔くん！かっこいいね！｣
出迎えてくれた裕翔くんはドラキュラの格好をしていて、黒髪をオールバックにしていて一段とかっこいい。
｢いのちゃん、なんでそのかっこなの｣
うげ、と嫌そうに舌を出しながら俺に話しかけてきたひかるは狼男、なのかな？
髪色に合わせた犬耳に茶色いニットを着ていた。
｢かわいーでしょ？
お腹おっきくて普通のコスプレ出来ねぇんだもん｣
｢だからって、なんで猫なの｣
｢かわいーからだよ。ひかるだって似たようなもんじゃん、耳｣
｢俺のは狼男だもん！全然ちげーし！｣
店内は古くからの常連だという他のお客さんが何人かいるだけだけど、割と年配の方が多くて、普段なら縁がないだろう仮装パーティーに気合が入るのか仮面舞踏会みたいになってて。
"結婚式帰りの親戚のおじさん"なんていう面白い仮装の人もいたりして楽しい。
若いやつの仮装が珍しいのか、俺とひかると裕翔くんは一緒に写真を撮ってくれとひっぱりだこだった。
────カランカラン
ドアベルの音に振り向くと、
｢────えぇ……｣
仲良く現れた二人は、懐かしい高校の制服を着ていた。
｢っわ、ちゃん何なのそれ…可愛すぎかよ…｣
｢大ちゃんこそ、それはずるいよ…｣
シャツに、指定のネクタイに、ブレザー代わりに着た大きめのパーカー。
それはあの頃の大ちゃんそのままで、違うところと言えば真っ黒になった髪色くらいだけど…それがまたいい。
｢もうやだ大ちゃんかっこいい｣
｢へへ、似合ってる？｣
｢童顔でよかったね、超リアルだよ｣
｢うっせ！｣
俺が恋をした大ちゃんが突然目の前に現れて、もうどうしていいかわかんない。
好きなんだけど、叶うわけもなくて
先輩兼友達として笑うしかなかったあの頃。
｢…大ちゃん、ぎゅーして｣
｢は、ここで？｣
｢うん、ここで｣
えぇー…って困った顔をしながらも、そっと抱き締めてくれた。
制服からはタンスの防虫剤の匂いがするけど、どれだけ願っても叶わなかった、高校生の大ちゃんに抱き締めてもらえたような気持ちがする。
｢もうかっこいい、死ぬ｣
｢俺もちゃんが可愛くて死ぬ｣
｢お前らここ家じゃねぇからな｣
｢ひかは？ぎゅーする？｣
｢しねぇよバカっ！｣
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Shee.(プロフ) - とまとさん» ありがとう！上手いこと行けばあります！← (2018年11月1日 17時) (
レス) id: 8e67ef454c (このIDを非表示/違反報告)
とまと(プロフ) - 完結おめでとー☆彡スピンオフあるの？！って喜んでます！☆連打できないのが悲しい(´；ω；`)楽しみにしてます♪ (2018年11月1日 16時) (レス) id: 561587332a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Shee.
| 作成日時：2018年10月24日 23時
