それぞれのカタチ＊２

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この場合、ありがとう、なのか？
よくわかんないけど。


｢母乳ってちょっと甘いのな｣

｢なんか俺が食べるものによって変わるらしいよ？気は遣ってるからな一応。
…つか舐めるならまだしも、吸うってどうなの…変態｣

｢ばっ…！…だって、俺のなのに圭人ばっかり吸うんだもん。ずるい｣

｢はぁ？んだよそれ…ばか…｣


お互い顔真っ赤になっちゃって、涼介は俺の頭をくしゃくしゃと撫でると


｢トイレ行ってくんね｣


って立ち上がった。

───その、なんて言うか。
違うところも立ち上がってる、んだけど。


｢りょ、涼介｣

｢ん？｣

｢あの、それ…｣

｢あー…バレちった？
ひか、かわいいんだもん。ごめんね？
ちょっと処理してくっからひかは寝てて｣


困ったように笑うけど、


｢あの…していいよ？｣

｢へっ？何を？｣

｢何って、その…えっ、えっえっ…ち｣


妊娠中はもちろん、産まれてからも今日まで。
涼介は一切俺にそういうことしなかった。
それが彼の優しさだってわかってるけど、心のどこかで少し不安だった。


｢もしかして、おれのこと男としてみれなくなっちゃったかなとか…思ってた｣

｢それはない。毎日可愛くて大変だわ！
…ほんとにいいの？無理してない？｣

｢してない。おれも…涼介がほしい｣

｢〜〜〜っはぁ…それほんとだめ…｣


足早に俺の目の前まで来ると、ぎゅうって抱き締められて。
涼介の香りに胸がいっぱいになる。


｢…あれ。ひかもこんなんなっちゃった？｣

｢も、言わなくていいからっ｣


父親になったって、涼介は変わらずかっこよくて、セクシーな俺の大好きな人。


｢はぁ、子ども増えちゃうかも｣

｢…今はまだ圭人だけでいいよ｣

｢もーっ、ひか！好き！！｣





fin

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