それぞれのカタチ＊２

・ ページ16

.



｢ん…｣


ひかがごそごそと腕から抜け出していくのでふと目が覚めた。

夜中の1時…


｢ひか？トイレ？｣

｢ん…ちょっとお腹痛くて｣

｢まだ寒いし、冷えたかな？おいで｣

｢涼介、腕枕して？｣

｢もちろん｣


まだ真っ暗な部屋の中、ひかのおでこにキスをして。

またウトウトしてきた頃、ひかがスマホを見るのに気づいて、あーお腹おっきくなってから寝苦しいって言ってたもんな、なんて回らない頭で考えた。



.


｢涼介、悪い、起きて｣

｢んー…どうした？今何時…｣

｢四時。ごめん、仕事なのに…
もしかしたらこれ、陣痛かもしんない｣

｢っえ｣


超目が覚めた。もうバッチリ。


アプリで計っていたらしい痛みの間隔を見せてもらうと、確かに綺麗に等間隔で。


｢どうしよ、病院開くまで５時間もある｣

｢先生はこういう時、なんて？｣

｢心配だったら電話してって｣


自分で答えといて"あ、そっか"って思い出したらしいひかは産院に電話をかけはじめた。


｢もしもし、すいません。そちらでお世話になってる山田 光です。────はい、予定日は24日で────はい、｣


何時から痛いのかとか、間隔とか。
口頭で説明して電話を切った。


｢なんて？｣

｢まだ大丈夫だから、開いてから来てって。
出勤の時、乗せてってくれる？｣

｢おお、もちろん。てか俺仕事休めるかな｣

｢え、いいよそんなの。そんなすぐ産まれないもん、大丈夫だよ｣

｢うぅ……でも早く上がらせてもらう。
俺がそうしたいの、だめ？｣

｢…迷惑かかんないなら｣

・→←・

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す