手に入れたい＿【おそ松さん】 (ページ5)

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４話ページ5

二人の会話を興味なさげに聞いていたら、顔に衝撃が。

「いて」

ぶつけた鼻を手で押さえる。

「あ、ごめんなさい。大丈夫ですか？」

やけに聞き覚えのある声。顔を見ると…

「あぁ、なんだAか」

＿松野チョロ松。

眼鏡をかけていて、ほかの兄弟よりしっかりしている。
学ランもしっかり着ていて、その上、生徒会所属。

先輩からも後輩からも好かれていて、ラブレターの数は少なくない。

表向きでは"真面目君"。
私の前では"ゲスイ君"。

とにかくこいつは私にだけ態度が悪い。

「あれ？チョロ松じゃん。どったの？」

「委員会、今日はないの忘れてた。

だから道草食って学校来ただけ」

「チョロ松兄さん意外と不真面目なところあるよね」

あぁ、六つ子の二分の一がそろってしまった。
このまま六つ子コンプリートとかないよね…？

すると突然、私を見ておそ松がなにかを思い出した顔をする。

「そういえばA。この前、隣のクラスの奴に告られてたんだよな」

「え、それ本当！？」

おそ松の話にトド松がいち早く反応する。
それを、なぜか自慢げにおそ松が話している。

「それにイケメンで金持ちで有名なあいつ」

「それってあつし君じゃん！」

…あいつの名前、あつしって言うんだ。
初めて知った。

「え、こいつに告るとかそうとうの物好きだね。そのあつしってやつ。」

『それ、どういう意味？』

「あれ？言わなきゃ分からないかな？」

煽るようにゲス顔で言ってくるチョロ松に、軽く中指を立てた。

『〇ね』

「暴言は吐いちゃいけませんって、幼稚園でならわなかったかなぁ？
あ、そうか、まだ精神年齢が幼稚園生にも満たしてないのかぁ。

ごめんねぇぇ？」

『一回〇んで来い』

…こんな風に、うざいことしか言えない奴だ。

クラスの女の子には物凄く優しい対応。
なぜそんなに態度が悪いのか聞くと、

「Aは普通の女子として見てないから」

だそうだ。

なんて失礼な奴。

＿私はこいつが嫌いだ。