悪魔との復讐は終わらない

悪魔の契約29 ページ30

颯真視線




俺は、

色んな化け物達が恐れるほどの悪魔だった

見習いの時は人間に一度もバレる事なくたくさんの人間を不幸にした

『次の大悪魔はフーマだろうな』
『そりゃそうだろ』

誰もが次の大悪魔は俺が相応しいと言っていた

正直、次は俺なんだろうなって、俺自身も薄々は思ってはいた

でも、別にそこまでそれにこだわりなんてなかった

"あんな事が起こるまでは"

ある日、俺の元に魔女から依頼が来た

〈人間を殺せ〉

人間を殺す事は悪魔の役目ではなかった

その事はしっかり教えられてきたんだ

けれど、こうも言われた

"頼まれた事は、悪魔の名に懸けてやり遂げろ"

俺はその魔女に会って話を聞くことにした

『貴方にしか頼めないの。お願い』

俺は人殺しは死神に頼んでくれと言って去ろうとした

けれど、魔女は言ったんだ

『あら、貴方悪魔なのに大丈夫なの？掟を破って』

俺は意味が分からなかった

『だって、これは依頼よ？断るなんて見習い以下ね。人殺しも出来ないから悪魔は』

"嘗められるのよ__"

俺が、見習い以下？

人殺しも出来ない悪魔は嘗められる？

その時、俺のプライドに火がついたんだ

『俺は、大悪魔最有力候補とも言われてるんだ。人殺しなど簡単だ』
『あら、宜しくね』

こうして、俺は人殺しをした

報酬を貰いに魔女の元へ行けば、魔女の姿はどこにもなかった

明日、もう一度行ってみよう

そんな軽い気持ちで１日を過ごした

そして、次の日

俺は広場に呼び出された

そして、言われた

お前は、人間を殺し、悪魔の掟を破ったな___
見損なった___

意味が分からなかった

『俺は頼まれたからやったまでだ。』

頼まれた？そんな事を頼むのは魔女くらいしかいない___

俺はそれでﾊｯとした

こう言った化け物には役割があるんだ


悪魔が他人を不幸にするように

天使が他人を幸せにするように

死神が他人を殺すように


魔女が他人を陥れるように___

"填められた。"

そう思った

そして、俺は人間界に見習いとして落とされた

そこで弱って油断している時に、芽衣と出会ったんだ

最初はこいつとのんびり人間界で暮らすのも悪くないと思ってた

けど、俺の目的は変わった

見つけたんだ

魔女を




もし、掟を破った理由が魔女に騙されたからだったら






"その魔女の存在を消せば、なかった事になる"







『ちなみに、あんた名前は？』
『私の名前はセリナだよ』

その魔女の名はセリナ___

そう、これが俺の復讐の始まりだった

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