貴方に近づきたくて【ハイキュー･及川徹･岩泉一･牛島若利】 (ページ2)

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一目惚れ。

それは人生で初めての事だった。

爽やかで顔は整っている。
しかし、プレーに入った時に見せる鋭い目つき。

私の心は一瞬で貴方の虜になりました。

名前は…………

及川徹

ぎゅっと胸を掴まれるそんな感覚に襲われた。

あぁ、きっとこれ”恋”なんだな。

これが私の恋物語の幕開け。

大会の結果と言えば…勿論白鳥沢中等部が優勝した。
そんな私は今、週明けの教室で進路の紙とにらめっこしている。

白鳥沢高等部にそのまま進学してマネージャーを続ける予定だった。若利に春高に連れて行ってもらおうなんて思ってたけど、やっぱりあの北一のセッターは青葉城西に行くんだよね。

はぁ、何で白鳥沢に来てくれないの？！

えーい！もうどうにでもなれ！！！

そんな気持ちで私は進路の紙の一般受験に丸をつけ、
第1志望校青葉城西高校

と記入をして提出した。

受験なんて朝飯前。白鳥沢中等部上位3位に入るほどの頭脳を持ってるし、私が受かんなきゃ誰も受かるわけない。

高校受験もしっかりクリアして、正式に春からは青葉城西高校に通うことが決まった。

それを若利に報告したら「いいんじゃないか？」とか言うと思ったら珍しく「何故青葉城西なんだ。」なんて言ってきてびっくり。

ごめんね若利。でもね、この気持ちには勝てないんだ。

物心ついたときから若利とバレーをしてた。
家がお隣さんで同い年。

同じ小学校に通い、同じバレーボールチームに行って、若利が白鳥沢に行くって言ったから私も同じように道を歩んできた。

若利のするバレーが一番好きだった。
スッと綺麗に決まるスパイク
まるでコート全体を支配するかのように思い通りにコントロールが効く左腕
見ていて気持ちがよかった。

中学からはマネージャーとしてできることは何でもしてきた。
情報収集に部員の分析、分析に基づいたトレーニングメニューの提案
勿論、勉強も。

白鳥沢の凄腕マネージャーなんて小さな記事になったこともあったっけ。

若利と毎日登下校して自主練なんかもみたりして
両家両親は将来、私を若利のお嫁さんにしたかったみたいだけど
生憎、私たちにそんな感情は一切なかった。

そして誰もが白鳥沢高等部で活躍するだろうと思っていた私は、今日からは青葉城西高校1年生。
赤いリボンをぎゅっと結び、玄関を飛び出す。

あの人に会うために。

そして

若利を倒すために。

A「行ってきます！！！！」