隣の部屋にいる絶対王子様 part３

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部所の前。




少し、入るのに戸惑う。



でも、仕事だ。

入らないと。




鉄のドアノブを回し、中に入る。




「お、おはようございます....。」




もう結構な人が来ていた。



部長「あ、Aちゃん。おはよぉ」



部長は笑顔で挨拶を返してくる。



「昨日はありがとうございました。」



カバンを置いて頭を下げる。



部長はニコニコしていて。



部長「ね、Aちゃん。
また遊びに行こっか」



「え？」




私が顔を上げると、部長はまだニコニコしていて。


部長「昨日遊んだのね、旦那に言うとまた遊んでおいでって。
子供の面倒も見てくれるらしいから、休日また遊びに行かない？」



「私でよければ！」



部長はふんわりと笑い、ほんとに優しい人だと思う。



部長「嶺二くんと話すんでしょ？
彼、もう来ているから話してきたら？」



部長は背中を押してくれる。



「はい」



私は歩き、先輩の所に。



嶺二「あ、Aちゃん。
おはよ。どうかした？」



なにもなかったかのように笑顔の先輩。




「あ...えっと....。」



チラッと部長を見ると、ガッツポーズ。



「少し、お話をしたいのですが...。」



そう言うと驚いたように頷く先輩。



部所から出ていきたくもないし、でも、聞かれたら先輩の立場が無くなるだろう。




部所の中の会議室に行こう。


私は先輩を連れ、ガラス張りの会議室に入る。



カーテンを閉めずに、ドアの近くに立つ。



嶺二「どうしたの？」



「一昨日のこと、覚えていますか」



まずそこから聞く。




先輩の態度からして、覚えてなさそうだ。



嶺二「一昨日....？食べに行ったよね。
２人で。どうかした？」



覚えてないんだ。




「先輩、帰り際に私にキスをしようとしたんです。

それも覚えていませんか？」


そう言うと目を開く先輩。



「知り合いの人が先輩を止めてくれました。
先輩、謝ってほしいとは言いません。

ただ、知っていてほしかった。
このまま一方的に気まずいのも嫌でしたので。」

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