ＮＩＮＲＡＮ－４－ (ページ15)

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04-45・まともな依頼ページ15

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「は？何でんな事俺に？」

差し向かいで飲んでいた友人に
向って櫻井が疑問を投げかけた。

「いや、お前なら何か良い調査会社
　知ってんじゃねぇかなって。
　知らね？秘密厳守でやってくれるトコ」

「そりゃ、まぁ知ってっけど……。」

櫻井がその日、友人に持ちかけられた
相談は彼の会社で企業データが流出し、
ライバル会社へと渡ったという何とも
櫻井には縁遠い話。
内密に解決を望む会社。
警察に届けるつもりは無いという。

「んー。じゃぁここ、行ってみる？」

櫻井はそっとNINRANの名刺を取り
出した。

「は？忍者？お前、バカにしてんの？
　俺、結構真剣なんだけど？」

友人の顔が怒りに染まる。

「分かってるよ。
　そこ、“俺ら”の会社。」

「は？お前、副業禁止だったよな？」

「副業……じゃねぇしな。ま、ちゃんと
　“公認”だよ。許可取ってる。
　俺が調査するから、もちろん、秘密厳守
　どう？」

「お前が？出来んの？
　俺の会社、ITだぜ？」

「出来るわ！そっちこそバカに
　すんな(笑)」

「だったら頼む……つうか！
　なんで忍者なんだよ！」

「そりゃまぁ忍んでるから。」

「面バレ予防？」

「そ。忍び装束なら顔、隠せるっしょ？」

「は(笑)なるほどな。」

櫻井の友人は複雑そうな表情を
浮かべつつ笑うと、名刺をそっと
懐へと忍ばせた。

「明日、時間ある？」

「俺は無い。けど、メンバーはある。
　頼んどくから心配すんな。」

「ありがと。」

「どういたしまして。」

目を合わせ、にやっと笑うと、櫻井は
シャンパンを喉へと流し込んだ。