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04-31・その男、警察官につき ページ1





「は?ちょっちょっと待て!」




山下の言葉を無視して、携帯は
通話を終えた。




「どうした?」




相棒の川村が、眉を寄せ、難しい
顔で携帯を見つめる彼に声をかける。




「いや、それが……
 なぁ、お前、覚えてるか?」




山下が7カ月ほど前に受けた失踪
事件について、川村に聞いた。
彼もその事件はなんとなく、頭の
片隅に残っていた。




「あぁ、あの旦那が怪しいやつか。」




そう、二人とも失踪届を出した旦那を
怪しんでいたが、なにせ、ほとんど勘。
何処をどう捜査しても、彼が犯人だと
確信を持てる証拠が出て来なかったし、
失踪者の足取りも掴めないまま月日が
経っていた。




「その事件がどうした?」




川村の言葉に、




「あぁ、あれな、今タレこみが
 あった。」




「は?」




「あの夫が自宅に閉じ込めて
 いるってな。」




「!!」




「初めて聞く声だし、信用が
 おけるかっていうと疑わしいが……」




「“夫”って所が……か。」




「ああ。」




「もう一回かかってくると思うか?」




「わからん。」




「だよなぁ。で?どうするの?」




そんな会話をしていると、山下の
携帯にポーンとメッセージの到着を
告げる音が響いた。
視線を落とすと、見知らぬ相手から
のLINE。
そのメッセージを見た山下の表情が
変わった。




「何があった?」




「今夜、害者を救出するらしい。」




「は?」




「まずいな。俺達が動くには証拠が
 無さすぎる。逮捕状もとれないし、
 家宅捜査も無理だ。」




「このまま、待ってるしかねぇか?」




「悩ましいな。」




「ああ。確たる証拠でもあれば
 こっちも動けるんだがな。」




「ん?」




山下の携帯が再び鳴る。
それを見た山下が呆れたように
笑う。




「“近くで待機よろしく。”だと」




「おいおい、なんでソイツに指示
 されなけりゃなんねぇんだよ。」




「だが……。」




「ああ。本当にこのメッセージの主が
 救出したとしたら……。」




「行ってみるか……。」




「そうだな。最悪、ガセネタでもいい。
 こいつが本当に救出した場合、すぐに
 害者を確保してやりたい。」




「だな。」




二人の意見は纏まり、二人は被害者の自宅
近くへ向った。

04-32・いよいよ。→



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美唯 - 作品、見つけ楽しく読ませていただいてます。続き楽しみにしてます (2017年12月29日 12時) (レス) id: 9da5bd590f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:sayanちゃん | 作成日時:2017年9月20日 12時

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