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04-28・方針 ページ28






「あなた方で、どうにか娘を
 救出する事はできませんか?」




父親が硬い表情で願い出た。




「できない事はないんですが……。」




小太郎の声が沈んでいる。




「難しいのでしょうか?」




「万が一見つかった場合、不法侵入に
 当たります。
 万全を期して、ご主人が何処かへ長期
 出張などで出てくれるといいのですが、
 娘さんが行方不明になり、警察へ届け
 出を出した頃から、そういった
 出張は避けられています。」




「そうですか……。」




妹がはっとした表情を浮かべて
顔を上げた。




「待ってください!
 義理の兄は姉を行方不明で
 捜索願を提出しています!
 万が一、見つかったとしても
 姉が地下で見つかれば、不法
 侵入もある程度許してもらえ
 るのではないですか?
 義兄が姉は行方不明だと嘘を
 吐いていたんです!
 捜査をかく乱したとかなんとか!」




「そうですね。そのように警察が
 判断してくれればいいのですが、
 こちらとしては最悪の場合を
 想定して動く必要があります。
 我々忍者が活躍していた時代と
 今とは法整備も随分違うもので、
 自由に動くのは難しいのです。」




「でもっそれじゃぁ姉はっ!」




「何とか一晩、彼が自宅を開ける
 機会があれば。
 それが無理であれば、警察への
 タレこみという方法を取ってみ
 ようかと。
 ただ、こちらでしたら、警察官が
 御嬢さんの救出にあたります。
 現状を多数の警察官が見る事に
 なるでしょう。」




「それでもっ……それでもお願い
 します!」




母親が頭を下げた。




「今の現状より、そっちの方が
 よっぽどましだ。贅沢はいえん。」




父親も頭を下げた。




「では、そういう方針でよろしい
 ですね?」




小太郎の言葉に、全員が頷いた。

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作者名:sayanちゃん | 作成日時:2017年7月21日 15時

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