ＮＩＮＲＡＮ－３－ (ページ16)

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04-16・第３の依頼。ページ16

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「んね、ちょっといい？」

松本の楽屋に訪ねて来たのは生田斗真。

「おう、どした？」

「あのさ、どっかいい探偵しらない？
　以前、役作りとかでさ、そっち方面に
　知り合いとかいないの？」

「は？それ言うならお前にだって伝手、
　あんじゃねぇの？」

「いや、まぁあるにはあるんだけど、
　ちょっと訳ありでさ、安く引き受けて
　くれて、腕もいい所、探してんの。」

生田の言葉を聞いて、松本は自分たち
なら、ボランティア価格で受けられるん
じゃないか？と思う。

「予算は？どのくらい？」

「１０万くらいしか出せないって……。」

「は？」

「困ってんだよぉ～。」

「その予算じゃモノにもよるけど
　難しいな……。斗真、今日時間ある？」

「俺はあるけど？」

「じゃぁさ、ココ、行って待ってて。」

「は？なんだよこれ！忍者ってお前、
　これ結構真剣なんだけど！」

「分かってるよ。とにかく、ココ、
　友達価格で安くなるよう頼んどくし、
　腕はいいから。」

「腕はいいって……マジで言ってんの？」

生田の言葉に松本が頷いた。

「相談料はタダにしといてやるから、
　とにかく、今日、行けって。」

「タダにしといてやるってお前、自分の
　会社みたいに……。」

「いいから！行け！」

「……まぁじで？」

生田は松本から受け取った名刺を見て
納得がいかない表情でため息をつくと
楽屋を後にした。

その背中を見送って、松本がすぐ、スマホを
取り出すと、大野にかける。

「あ、もしもし、“さとにい”？」

『依頼？』

「うんそう。そうだな……40分で依頼者が
　到着予定。斗真だから。」

『ん。待ってる。』

「よろしくね。」

短い会話の後、通話を切ると、松本は
仕事の資料を広げ、巻きで終わらせるべく、
気合を入れた。