02-08・結局拾う。 ページ8
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ひきとられた家の息子より優秀なしょう。
彼らの嫉妬でいじめられていた。
「おめぇ、俺とくるか？」
あの火の中、じゅんを抱えて飛び出てきた
しょうの勇気が無門は気に入っていた。
「戦い方、教えてやる。」
いつか、復讐しようとした時、できるように。
そう、無門はあの火事も、そしてお上の沙汰も
どうもきな臭いと感じ、仕事の片手間で
(さとしに大概を押し付けたともいう)
事細かに背景を調べていたのだ。
まっさかなぁ……。
傷だらけで倒れる翔を背に背負い、
泣きじゃくる同じように傷だらけの潤の
手を引いて、近くのアジトへ帰る道
すがら、結果を思い出して運命に苦笑した。
「とうちゃん……？」
「えへ？」
アジトに戻ると、帰っていたさとしに
出迎えられた。
「翔くん……、それに潤くん？」
「うん。」
指をしゃぶり、さとしを見上げる潤は、
無門の足に隠れるようにしがみ
ついていた。
背中の翔は傷のせいか話ができる状態
じゃない。
「はぁ〜〜〜〜〜〜。」
と一つ、大きくため息をついた
さとしは、
「おいら、やっぱ父ちゃんに似ちゃった
んかも……。」
そう言って体をずらし、無門を迎えいれた。
しょうとじゅんを連れ帰ると、
「浮気か？浮気なのか？」
とお国が無門の襟をつかんで迫る。
そんなかあちゃんもこえぇが、べっぴんだ。
怒った顔も、好きだ！
と思っている無門は大概である。
「ご、ごめんっ浮気じゃねぇ！
これには深いわけがっ！」
「うっさい！」
ぴしゃりと閉められた家の戸。
無門は翔を背中に背負い、潤の手を引く
さとしと顔を見合わせた。
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作者名：sayanちゃん | 作成日時：2017年7月4日 13時
