ＮＩＮＲＡＮ－２－ (ページ27)

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03-11・突然の男ページ27

Side/無門

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翔も潤も預け先に宛てがあった。
だが、さとしだけどうしても決まらない。

こんなことならじじいにもう一人、相談
しときゃ良かった

と思ってみても、じじいはもういない。

取りあえず、翔と潤を連れて預け先へと
出発しようとしたその時、玄関がでっけぇ
音と共に乱暴に開けられた。

「どのガキをくれる？」

その顔を見たオイラはすぐさま片膝をつき
頭を垂れ、子供らもそれに習った。
もちろん、お国も。

「やめろ、頭を上げろ。」

「いや、しかし。」

「かまわん。で？どのガキをくれる？」

オイラは今だに状況が分からず、必死に
考えていたが、どう考えてもあのじじいの
仕業だろうという事に思いあたった。

「お！こいつ、お前によく似てるじゃ
　ないか！このガキを寄越せ。」

そう言って頭に手を乗せたのは、今しがた
悩んでいたさとしの頭だった。

「へ？いや、その。さとしですか？」

「ほう。こいつ、さとしと言うのか？
　儂と同じ匂いがするわ！」

そう言って豪快に笑うと、乱暴にさとしの
頭を撫でる。

「ほかのガキはどうせ行く先が決まって
　るのであろう？」

まるで何もかも見通しているような
話しぶりに体がぶるっと震える。

「たしかに、翔も潤も預け先は決まって
　おります。」

「ならば、こやつは儂が貰ってよいな。」

「何卒、修行が終わりましたら、儂ら
　夫婦の元に帰して頂きたく。」

「ふん！分かっておるわ！
　よし、さとし。儂の名は服部半蔵。
　鬼半蔵と呼ばれる男よ。」

こうしてさとしは服部半蔵殿の元へ
預ける事になった。