ＮＩＮＲＡＮ－２－ (ページ25)

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03-09・不安そうな子らページ25

Side/無門

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「お！こいつじゃな。」

かあちゃんの後ろからのぞいていた
子供らをみたじじいが言った。
迷いなく頭を撫でたのは、“まさ”。
思わず大きくため息が出た。

まったく、確かにそうだけど、なんか
腹立つんだよ。

「とちゃん？」

不安そうな顔で見上げるまさの近くへ
行き、しゃがんで目線を合わせる。

「まさ、おめぇは今日から、このじじいの
　所で修業してこい。」

「え？」

泣きそうな顔をするまさの頭を撫でる。

「捨てるんじゃないぞ？
　必ず帰ってこい。一人前になって。」

「で、でも……。」

「とうちゃん！なんでまさだけ！？」

かずがまさを守るように前に出た。

「まさだけじゃねぇ。
　おめぇら全員、おめぇらに合せた
　師匠をつけてやる。」

「とうちゃんがいんじゃん！」

翔が言った。

「ああ、確かに、基礎は教えた。
　でも、異能に合せた訓練は、俺には
　できねぇ。せいぜいさとしの面倒を
　みてやるくれぇだ。
　だけど、さとしだって、俺より優れた
　師匠につけてやりたい。
　それに、1人だけ手元にのこすんは、
　公平じゃねぇだろ？」

「でもっ！」

潤が胸の前で拳を握って訴えるような
目をする。

「でもじゃねぇ。おめぇらを強くする
　為だ。生き抜く力をつけてやる為だ。」

「それに、男には甲斐性が必要です。
　いずれ、所帯を持つ頃に、父上のように
　甲斐性なしでは困ります。」

「ふぉっふぉっふぉっ！
　たしかにのぉ。無門にはお国ちゃんが
　おったが、お前さん達に、お国ちゃん
　みたいな嫁さんがくるとは限らんからの。」

じじいの言葉に一瞬むっとしたが、確かに
うちのかあちゃんは俺だけの嫁だし、あえて
オイラはなんも言いかえさなかった。