ＮＩＮＲＡＮ－２－ (ページ18)

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03-02・かず。ページ18

Side/無門
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かずは、埋められた地中で初夏の頃、
季節の変わり目に生まれた。
五行思想では土。
中央・季節の変わり目、植物の芽が
地中から発芽する様子が元となっていて、
万物を育成・保護する性質を表す。
そして、司る感情は怨。

そう、かずは五行思想そのままに、
地中から産まれたのだ。
発芽するように。

万物を育成・保護する性質そのままに、
地面を使い、全ての生き物と繋がれる
かずの異能。
忍者にぴったりな異能だと思う。

産まれてすぐの記憶はないはずだが、
京の都で出会った陰陽師に言われた。
稀にだが、母親の腹ん中の記憶がある
赤ん坊もいるらしい。

そう考えると、かずは腹ん中で殺され
かけた記憶が今は思い出せないながら、
何処かに存在してるのかもしれない。
だから、異能が目覚めたのだろう。

きっかけは悔しい想い。
翔が二つ目の異能に目覚めた事が
引き金になったようだ。
それは怨に近い感情だったのだろう。
かずが知れば自分を責めそうだ。
この事は黙っておくことにする。

それと、かずが笛や楽器に対して才能を
発揮したのも、この五行思想から考えれば
納得できる。
歌(か)が土の五声だからだろう。
この才能ものばしてやりたい。

さて、かずの異能も、オイラにゃ教える
事ができない。
せいぜい出来て陰陽師の人に教えてもらった
精神統一の仕方くれぇだ。

忍者の精神統一として教えられる、九字を
みっちりさせ、瀧業をさせた。
それ以外も出来る限りの事を教えたが、
やはり、異能についてもう少し詳しく教え
られる誰かに預けるべきだろうか？

だが、これはかあちゃんが反対しそうだ。
なにせ、かずは唯一、赤ん坊の頃から
育てた子供。
腹は痛めてないが、我が子という感覚が
一番強い子供でもある。

もちろん、他の４人もオイラ達の子供で、
ちゃんと愛情深く育てているつもりだが。

たとえかあちゃんが反対しようが、
かずの為になるのなら、修行に出す
べきだろうか？