ＮＩＮＲＡＮ－２－ (ページ14)

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02-14・潤の苦悩と決意、かずの苦悩ページ14

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かずを燃やしてしまいそうになった日から
怖がるばかりで修行にならない。
それでも、その大きな力を自分で知り、
操縦する術を学ばなければ、困るのは潤だ。
無門は心を鬼にして、来る日も来る日も
潤に自分の力の限界まで、力を出させる
よう指導した。

混乱し、暴走させそうになると、翔が
すかさず宥める。
だが、ある時ついに巨大が力が暴走した。
大きくなった炎。
潤がますます混乱する。
混乱すれば、力は暴走し、炎は余計に
大きくなる。

翔が駆け出すものの、炎の大きさに
一瞬二の足を踏んだ。
きゅっと決意した表情を浮かべた翔の
周りに、バチバチっと雷が発生し、
それは足へとまとわりついた。

無門が呆気にとられている間に、
翔は潤の元へと走り、その体を包み込んで
守った。

このままでは二人とも焼け死ぬ！

無門が焦っていると、まさが、叫びながら
両手を前にだした。
ちょろっとしか出なかった水が、すごい
勢いで炎へと向かい、あっという間に消火
してしまう。

無門は呆けている場合ではないと、二人の
元へと走った。
翔の背は、炎を受けてひどいやけどを
負っていた。

その日から、潤は変わった。
目が違う。
泣き虫だった潤は涙をこらえ、自分の
力の限界を知り、それを操る術を身に
付けた。

まさも、変わった。
その日を境に、兄弟に話しかけ、共に遊び、
笑わなかった子供は良く笑うようになった。

「じゅー。だいじょーぶよ？
　ましゃがけしてあげりゅから。」

そう言って潤の暴走時には水で消して
あげると、傍で訓練をいっしょに受ける
ようになる。
疎外感を感じ始めたのはかずだった。

かずはずっと異能に目覚めなかった。
本人も半分諦めてはいたが、歯がゆい
表情を浮かべる事があった。
無門もそれに気が付いてはいたが、ない
ものはない。
普通の子供と同じように扱った。
身体能力は高く、器用で、すぐに同じ年の
子供の中でも抜きんでて強くなった。
お国はそれがたいそう嬉しかった。

「かず、そなたにはそなたにしかできない
　事があるのです。気にする必要も、兄弟と
　比べる必要もありません。」

お国はそう言って、算術などを習わせた。
笛では驚くほどの才能を見せ、それは他の
兄弟にはない特技になった。
だが、かずは納得していなかった。
思い悩むかず。
模擬戦では兄弟にいつも負けていた。
それが、悔しかったようだ。
地面を何度も小さな拳で叩く姿が頻繁に
見えた。