ＮＩＮＲＡＮ－２－ (ページ13)

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02-13・まさの異能ページ13

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普通の子供より体力がないまさは、
修行中、すぐ熱を出す潤と共に、
基礎体力を上げる訓練をする事にした。
基礎体力の同じくらいのやつがいた方が
いいだろうと、かずにも修行させる事に
する。

段々体力もつき、３カ月ほどすると、
まさがやっと言葉を発した。

「しゃとにい……。」

仕事に行くさとしを追いかけて泣き
ながら発したのが最初の言葉だった。

「ん……ん……っしょ！っしょ！」

一緒に行きたいとせがむまさに、
さとしは困りつつも、うれしそうに
顔を綻ばせる。

「まさ、おめぇはまだだめだ。」

無門が言うと、

「んやっ！しゃとにい、っしょ！
　ゆっちゃ！ゆっちゃのぉ～」

と、それでも一緒にいたいと駄々をこねる。
初めてのわがままに、無門も心が暖かく
なった。

「まさ、おめぇがもうちょっと強く
　なったら一緒に行けるから。な？
　翔と、潤とかずと、オイラとで
　待つ間、強くなるため頑張ろう。」

「ちゅーくなっちゃらいけゆ？」

「ああ、強くなったらさとしと一緒に
　いける。」

「ましゃ、がんばりゅ！」

ちゃんと話せば聞き分ける、まさは良い子
であった。
後ろ髪を引かれつつもさとしは任務に出かける。

潤は異能を使う訓練をはじめていた。
だが、どうにも火が怖いらしく、手のひらに
ほんの少しの炎をだして終わる事が多い。
だが、そのままでは敵を倒す事も、怯ませる
事もできない。
せいぜい野営の時に重宝するくらいだ。

「じゅん。もうちょっとでけぇのだせ。」

無門に言われ、炎を大きくするも、今度は
暴走させた。
ぶわっと吹き出た炎に潤がパニックを起こす。
翔が慌てて駆け寄り、声を掛けると、
何とか炎が消えた。
それを見ていたかずも雅も狼狽え、
潤と３人が泣き始めると、その日はもう
それ以上修行ができなかった。

何度練習しても潤は怖がり、上手くできず、
あるとき怖がって炎を放りだしてしまう。
その先にいたのはかずだった。
突然、衣服に火がつき、驚いて泣きながら
消そうと慌てる。
近くにいたまさが、かずにむかって手を
のばすと、手の先からちょろっと水がでた。
それがまさの異能の初めだった。
すぐに翔がかけより、かずの火を消す。
幸い火種が小さく、対処も早かった為、
大事にならずに済んだ。

だが、これがきっかけで潤はますます、
自分の異能を怖がるようになる。