ＮＩＮＲＡＮ－２－ (ページ2)

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02-02・墓から生まれた子供。ページ2

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「おめぇ、なまえは？」

赤ん坊を抱いたガキに聞くと、「さとし」と
答えた。

さとしは死んだ母親と共に埋められたという。

「こいつは？」

赤ん坊の事を聞くと、

「母上が産みました。名前はまだありません。」

どうやら、この赤ん坊は死んだ母親から
生まれたらしい。
まだ臍の緒が付くその子供を抱えなおすと、
立派な男の証がついていた。

「男の子か……。」

無門がそう呟くと、さとしが身を乗り出し
確認した。

「ほんとだ……私の弟……。」

感動したような表情を浮かべ、うっすらと
微笑むさとしを見た無門は、こいつらを
引き取ろうと決意した。

無門はまず、赤ん坊についたままの臍の緒を
短剣で短く切る。

「しっかし、おめぇらよく生きてたな。」

無門が呟くと、

「私はもう死んだと思っていました。」

と智が答えた。
はっきりとした受け答えに、ますます、
出自の良さが伺える。

「殺されたのです。」

険しい表情でそう言ったさとし。

だったらやっぱりこのままだと
こいつらは死ぬんだろうと、無門は
思った。

「おめぇ、俺と一緒にくるか？」

そう聞くと、さとしはこくりと頷いた。

「とりあえず、赤ん坊に着るもんが
　いるな。」

そう言って無門は先ほど、さとしが這い出て
きた穴をみた。

おめぇの子供のためだから、いいだろ?

無門はそう心で呟くと、赤ん坊をさとしに
抱かせるとクナイを使って墓を掘った。

「こりゃべっぴんだな。」

墓の中に納まっていた二人の母親は、
すごい別嬪さんだった。
口元にうっすら残る毒の後。
掻きむしったであろう首の傷。
だが、死に顔はそれはそれは綺麗だった。

毒殺か……。
その割には顔がきれいだ。と無門は
思った。もっと苦しそうな表情をして
いるのが多いもんだ。

棺桶の中に突っ込まれた何枚かの着物。
金目になりそうな物をいくつか拝借し、
そのうちの一つで赤ん坊をくるんだ。