ハロウィンの夜に☆３ (ページ10)

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竜神の視線が相葉に移った。

相葉がびくっと肩を震わす。

「ふむ。なるほど。狼の子か。
　ならば、この男もさほど困らぬか……。
　そばには婿どの、それに狼がついておる。
　

　よい。
　この男を私の息子にしよう。」

「ありがとう。」

櫻井が竜神の言葉に頭を下げた。
一方、相葉はぽか～んと口を開けたまま固まった。
息子にするとはどういう事なのだろう？

その時、竜神がその口を大きく開いた。
中から光の玉が現れる。

その玉が大野の全身を覆った。

「生まれ出ずるまで、七日だ。
　七日後、迎えにきなさい。」

「白龍公。感謝してもしきれぬ。」

「何、構わぬ。かわいいサラの婿の頼みだ。
　よいか？婿どの。
　我はこの日ノ本の海を守りし者。
　その息子、智もまた、この日ノ本を守らなくては
　ならぬ。それは容易い事ではない。」

「わかっている。
　私もまた、この日ノ本を守る事になる身。」

「うむ。
　さて、そこの狼よ。」

竜神が相葉に向き直る。
相葉の背筋が伸びた。

「そなたは、白き狼の血をひいたな？」

「はっはい！！」

「うむ。冬がそなたに味方する。そなたは冬を
　統べる者。我が婿どのと、我が息子を頼む。」

「はい！！」

「よい返事じゃ。ははははは。
　ではまた七日後、会おうぞ。」

竜神はそう言って湖のそこへ消えて行った。

放心状態の相葉。
その姿を見た櫻井がクスッと笑った。